2021.7.18
読んで味わう食エッセイ「土を編む日々」。「よみタイ」スタッフ5名が選ぶ珠玉エピソード
先月はこの人気連載の中から、「よみタイ」スタッフが実際に作ってハマった激推しレシピ5選をご紹介しました。
連載ファンの方はよくよくご存知の通り、本連載の魅力は、簡単でおいしいレシピだけではありません。
寿木さんの繊細な感性と文章で、レシピや食材にまつわる思いが綴られるエッセイ。
この存在があるからこそ、紹介されている料理への愛おしさが増し、このレシピを作ってみたい!食べたみたい!と思うのです。
そこで今回は、「よみタイ」スタッフが選ぶ極上エッセイをご紹介します!
(撮影/砺波周平、構成・文/よみタイ編集部)
「ご夫婦の素敵な出会いの話」(編集M)
まず編集Mが選んだのが「第6回 いも食うふたり」。
本連載のエッセイではたびたび寿木さんの家族が登場しますが、この回ではご主人と出会った際のエピソードも披露されています。
日々の食を共にすることによって「男女」から「夫婦」となっていく……。食を通して深まる夫婦の絆を感じられるエッセイです。
誰かのために作ったり、誰かと食べたりするから、食には必ずストーリーがある。家族とか夫婦とか故郷とか季節とか。いつもそのあたりを素敵な文章で綴っているので、読んでおいしいエッセイとして大好きです。
その中でも、夫婦のストーリーが好きで。とくに「いも食うふたり」はまさにご夫婦の素敵な出会いの話で、「ああ、こういうのいいなあ」「自分にも似たようなことあったかなあ」なんて考えたりしました。
結局、食の相性が大切とはよく言いますが、夫婦ってだんだんそういう相性も忘れていくもの。喧嘩したり意見が合わなかったりするときこそ、改めて食にとりもってもらうことも大切だなと思いました。
(編集M)
「タイトルがすごい!」(編集S)
続いて、家事の中で料理は嫌いな方だけれど、おいしいものへの感度は高い、そんな編集Sが挙げたのは「第11回 いたわるワンタン」です。
タイトルの通り読むだけでホッとして、気持ちが整うようなエッセイ。繊細さのなかに温かみやユーモアを感じられる言葉たちが心と五臓六腑に染み渡ります。
寿木けいさんの連載はいつもタイトルがすごい! 本(かつてはCDがそうだった)で言うならタイトル買い、ジャケ買い、といえるほど、毎回驚かされ、内容を読んで、うーんと納得しています。
私的ベストタイトルは、第11回「いたわるワンタン」。
自分がワンタン好きなのもあるけれど、なんかもう、タイトルから「いたわり」を感じました。今でもワンタンを食べるたびに思い出すタイトルです。
(編集S)