よみタイ

読んで味わう食エッセイ「土を編む日々」。「よみタイ」スタッフ5名が選ぶ珠玉エピソード

「料理にも通じる大胆さと繊細さ」(担当編集K)

最後は本連載担当編集からのコメントをご紹介します。

担当編集は、1年以上にわたって寿木さんの紡ぐ言葉と味を間近で見つめてきた
担当編集は、1年以上にわたって寿木さんの紡ぐ言葉と味を間近で見つめてきた

お気に入りのエッセイは「すべて」です。
というのは、担当編集として逃げるようでずるいでしょうか。
現在と過去、都市と田舎の風景を重ね、本質に迫るエピソードを毎回練り上げてくださっています。さらに併せ持つのは、文章展開の大胆さと繊細さ。料理中のご様子にもしばしばそれを感じます。この方は、何があってもひょいと飛び越えどこでも居場所を見つけていくのだろうな、美味しい食材と調理法を探し当てて、食という人間の根幹を自分にも人にも野太く豊かに作り上げていかれる方だろうなと。
都市生活を楽しむ寿木さん、好奇心に溢れた眼差しで過ごしていたであろう富山での少女時代の寿木さんと、著者の多面を想像しながら、時空も場所も超えたエピソードをお楽しみいただきたいと思います。
(担当編集K)

* * *

いかがでしたか?
前回の「編集部の激推しレシピ」特集に続き、今回も事前に示し合わせることなく、スタッフ5名のお気に入り回はカブりませんでした。
経験や立場によって、あるいは同じ人でもその時の状況によって、心に滲みるポイントが変わる。そんなところも本連載の奥行きの深さであり、醍醐味かもしれません。
外食や会食の機会が減り、おうちごはんと向き合う時間が増えているいまだからこそ、皆さんもあらためて寿木さんの食エッセイをじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。食を通して人生を豊かにする、そんなヒントが見つかるはずです。

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