2021.12.28
「『イカゲーム』の意外性が秀逸」エッセイスト・酒井順子さんが虜になった韓国ドラマ3作
こんな同級生がほしい『賢い医師生活』
『賢い医師生活』は、40歳の医師男女5人の日常生活を描いた韓国ドラマです。『イカゲーム』とは対照的に、医療ドラマでありつつ、血なまぐさい事件が起きることもなく、登場人物たちの恋愛や友情、家族関係などが淡々と描かれます。この作品の魅力は、なんといっても主要キャラ5人の人間力が高く、悪人や意地悪な人が出てこないこと。みんな“感じのいい人”で、「こんな同級生の仲間がいたらいいな」と思いました。登場人物が穏やかなので、コロナ禍の殺伐した日々の中で、安心して観ることができる作品です。
ヒロイン女優のサイコっぷりがいい『サイコだけど大丈夫』
国や家柄の違い、時空を超えた出会いなど、“ありえない二人”が出会う格差恋愛ストーリーは、韓国ドラマの定番。遅ればせながら『愛の不時着』からドラマを観始めた私も、すっかりこの“格差モノ”の虜になりました。
そんな中で『愛の不時着』の次にハマったのが、『サイコだけど大丈夫』。
人気童話作家の女性と精神病院で保護士として働く男性の恋愛ドラマです。売れっ子作家の女性とあまり豊かではない男性、しかも二人は殺人事件の遺族と容疑者家族という関係で、そのギャップを超えて惹かれ合っていく展開がたまりません。
ヒロインを演じるソ・イェジのサイコっぷりとクールな美貌、そして低くて落ち着いた声とが相まって、自分も彼女に振り回されたくなってきました。
幻想的な映像も美しく、独特な世界にひきこまれます。
今回紹介した作品が観られる配信サービスはこちら(2021年12月現在)
『イカゲーム』、『賢い医師生活』、『サイコだけど大丈夫』/Netflix
酒井順子さんの人気連載が単行本化!
時代が変われば言葉も変わる。そして、言葉の影に必ずついてくるのはその時代の空気。かつて当然のように使われていた言葉が古語となり、流行語や略語が定着することも。言葉の変遷を辿れば、日本人の意識の変遷も垣間見え、直近ではコロナ騒動をめぐり出てきた言葉からも、さまざまなことが読み取れる。近代史、古文に精通する酒井順子さんによる変化球的日本語分析「言葉のあとさき」(2019年12月〜2021年12月連載)。
「よみタイ」で好評を博した連載が、『うまれることば、しぬことば』とタイトルを変えて単行本化決定!
発売は2022年2月25日予定。ご期待ください!
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