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「『イカゲーム』の意外性が秀逸」エッセイスト・酒井順子さんが虜になった韓国ドラマ3作

「『イカゲーム』の意外性が秀逸」エッセイスト・酒井順子さんが虜になった韓国ドラマ3作

コロナ禍で「おうち時間」が増える中、昨年から今年にかけて利用者が急増したのが、サブスク動画。Amazon PrimeやNetflix、Huluなど、多彩な動画コンテンツを楽しむことができる配信サービスです。

本特集では、エンタメをこよなく愛する「よみタイ」の執筆陣に、2021年にハマったサブスク動画を紹介していただきます。1年を締めくくる特別企画です!

前回は、漫画家の竹内佐千子さんが、今年沼落ちした「BLドラマ」を紹介してくださいました。

今回ご登場いただくのは、人気連載「言葉のあとさき」が9月に最終回を迎えた、エッセイストの酒井順子さん。
コロナ禍をきっかけに虜になったという韓国ドラマの魅力やお気に入りの作品を教えていただきました。

(語り下ろし・構成/「よみタイ」編集部)

巣ごもり生活で韓国ドラマの虜に

私はこれまでドラマというものをあまり観てきませんでした。韓国ドラマも、ずいぶん前から人気があることは知っていましたし、周囲から勧められることもあったのですが、ドラマを観る習慣がなかったので、食指が動かなかったのです。
でも、コロナ禍で自宅が過ごす時間が増えた時に、友達が絶賛していた『愛の不時着』を観てみたところ、これがまあ面白い。1回90分ほどの放送でも全く飽きず、コロナのことを忘れていられるのがありがたく、他の韓国ドラマも観るようになりました。

人間の表と裏をえぐり出す『イカゲーム』

「イカゲーム」Netflixにて独占配信中/YOUNGKYU PARK
「イカゲーム」Netflixにて独占配信中/YOUNGKYU PARK

2021年に観た作品の中で特に印象的だったのは、世界的にヒットした『イカゲーム』。参加者が賞金をかけて命がけのゲームに挑む、サバイバルドラマです。
「自分の中にはこういう発想はない」とる思わされる意外な出来事の連続で、極限状態で滲み出る人間の残酷さと人間の温かみに、振り回されました。
デスゲームを通して描かれるのは、貧困や格差など、現実社会が持つ歪み。一見、荒唐無稽な設定のように感じますが、観ているうちに「もしかしたら、自分のすぐ隣にも、こんな世界が口を開けているのかも……」と、我が身を振り返らせる力があります。

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新刊紹介

酒井順子

さかい・じゅんこ
1966年東京生まれ。高校在学中から雑誌にコラムを発表。大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆専業となる。
2004年『負け犬の遠吠え』で婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。
著書に『裏が、幸せ。』『子の無い人生』『百年の女「婦人公論」が見た大正、昭和、平成』『駄目な世代』『男尊女子』『家族終了』『ガラスの50代』『女人京都』『日本エッセイ小史』など多数。

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