2021.4.13
鎌倉は、春もおいしい。鎌倉育ちの作家・甘糟りり子が愛する「お米」が主役の店
お米の三段階の変化を味わう
書籍『鎌倉だから、おいしい。』の中でこちらの「朝食 喜心 kamakura」を、「白米を通じて、食べることの楽しさを再確認できるお店」と、甘糟さんは綴っています。
品書きは「朝食」が2750円(※2021年4月8日現在は週末のみ)。「最高湖東焼 一士郎窯」の土鍋で炊くご飯に、向う付け、汁物、お漬物、焼き魚がつきます。
甘糟さんのお気に入りはというと……
私はお味噌汁が一番好き。ご飯とお味噌汁というコーディネートは、いってみれば、白いシャツとデニムみたいなもの。もっともベーシックだからこそ個性が透けてみえる。そこがいい。
と書いておいてなんだが、ここのカウンターで炊きたての白いご飯を口にすると、何が一番なんていちいち決めるのがばかばかしい、そんな気分にもなる。
そんな「朝食 喜心」の主役はやっぱり白米!
まずは、いくつも並べられた飯茶椀のなかから好きな茶椀を選びます。どんな器を選ぶかで味わいは変わりますから、器選びも食事のうち。
そしていよいよ主役のお米が登場するわけですが、ご飯は三段階の異なる状態で提供されます。
最初はお米がご飯に変わった瞬間の「煮えばな」。蒸らす前の状態で、口に含むと、ほんの少し芯を感じることができます。
次が、しっかり炊かれた、ふっくらとしたご飯。お漬物や汁物など塩味と一緒に味わって、お米の甘さを実感します。
そして最後が、お煎餅のような「おこげ」。パリパリとしたおこげは、粗塩で味わいます。
朝食 喜心 kamakuraで、お米の可能性を改めて知った。この三段階を体験すると、お米が、ご飯がより好きになる。
と、語っています。