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2000万超えの借金を背負った作家・借金玉さんが「100万円でチョウザメを買う」理由

2000万超えの借金を背負った作家・借金玉さんが「100万円でチョウザメを買う」理由

凡庸な体験の積み重ねから非凡な作家に

「動く」、「楽しむ」というポリシーは、現在の作家としての活動にも通じるところがあるかもしれません。

僕は、貿易とか不動産とかいろんな仕事をして失敗も成功もしてきましたが、最終的には作家でありたいと思っています。
弟は宇野朴人うのぼくとという名前で活動している作家で、作品がアニメ化されたりもしています。
僕も本当は文芸の世界にずっと憧れがあって、小説家になりたかったのですが、弟のようにゼロからイメージの世界で物語を作る才能がありませんでした。弟は、身内ながらイメージの天才です。彼の作品はスケールが大きく、実在しない異世界の話なのに世界観の細部まで本当によく練られています。
「兄より優れた弟などいてはいけない。兄だってできるはずだ!」と10年くらい叫び続けてもできなかったので(笑)、じゃあ同じ作家でも違うルートでいくかと腹を決めたのが今です。

イメージ力の代わりに僕が作家として大切にしているのは「やってみたらできた」という体験。
僕の本を読んでくださった方はわかると思うのですが、僕が書いていることって、「朝起きる方法」とか、一つひとつは本当に凡庸なことばかりです。
でも、発達障害の僕が「やってみたらできたこと」をまとめて本にすることで、ライフハック術として多くの方に届けることができました。

カラスミ作りだってそうです。市場でボラ子を買うとか、塩に漬けるとか、点と点は何もたいそうなことはしていません。でも、それを線で繋げた時に、「俺よりうまいカラスミを作れるものなら作ってみろ!」と言えるほどのものができた……ような気もしています。

「やってみたらおいしいものができた!」という“体験資産”が大事(画像提供/借金玉)
「やってみたらおいしいものができた!」という“体験資産”が大事(画像提供/借金玉)

「凡庸なことだって積み重ねていけば結果は出るんだ。じゃあやってみよう!」というのが、原動力になっています。
弟のようなイメージ力がないぶん、無理やり体験と行動で補おうとしているわけです。
「俺には異世界の話は書けない。でも弟よ、お前だって、ロシア人からチョウザメを買い付ける体験談なんて書けないだろう」と。

僕の人生の目指すところは、手と足を動かして、地道でもいいから結果を出すこと。そして、作家としていい文章を書くことです。
カラスミに続き、キャビア作りを極めて、「おいしいキャビアの作り方」の記事でもGoogle検索1位を獲得したいと思っています。

「100万円! あの人の使い道」特集一覧
●第1回 書道家・武田双雲さんの100万円の使い道。「爆笑されるほど奇抜な書道具を作りたい」
●第2回 医師で小説家・知念実希人さんの100万円の使い道。「コロナの出口はもうすぐそこ。祖母の待つ沖縄へ帰りたい」
●第3回 小3から新聞の株式欄を愛読。金融エリート・肉乃小路ニクヨさんが「お金が好き」な理由とは?
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借金玉

しゃっきんだま
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)がある。
Twitter @syakkin_dama

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