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2000万超えの借金を背負った作家・借金玉さんが「100万円でチョウザメを買う」理由

2000万超えの借金を背負った作家・借金玉さんが「100万円でチョウザメを買う」理由

おいしいものを食べた経験は差し押さえられない

僕の場合、感覚としては年間200万円くらいあれば、楽しい人生が送れるのではないでしょうか。なるべく私物も持たないようにしています。下手に所有物を増やすと、今度はそれを守らなければいけないのが重いし、怖いと感じるからです。

だから貯金もしません。100万円を貯金通帳に入れて大事に貯めておいたところで、差し押さえられたら終わりです。もちろん差し押さえられることがないように精一杯のことはしますが、事業や商売をやっていたら、ちょっとうまくいかなくて財産が差し押さえになることなんてよくあります。
でも、おいしいものを食べた体験、面白いことをやった体験は差し押さえできませんよね。じゃあ食べちゃったほうがいいし、やりたいことをやっちゃったほうがいいなと思うわけです。

それに、お金がある時に楽しいことをやっておくと、もしお金がなくなっても楽しいことはいっぱい残ります。
たとえば、いいレストランで腕のいいシェフの料理をたくさん味わっておけば、自宅でもおいしいものを作れる舌や感覚が養われているし、CPUやモニターなど全部品にこだわってパソコンを組む経験をしておけば、少ない予算でも最大限性能のよいマシンを選ぶ知識が身についています。
お金がある時に楽しい体験を積み重ねておくことで、お金をかけるべきところと、そこまでかけなくてもよいところの見極めもできるようになって、お金がなくても楽しく生きられる術が身につくわけです。
だからやっぱり「やりたい!」という気持ちを大事にして、楽しめるだけ楽しんだほうがいいと思っています。

「世界一意識の低い自己啓発書」をうたった著書『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)も話題に
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こうやって「やりたいことをとにかくやるんだ」「面白いことが大事」という話をすると、無鉄砲で恐れを知らないように捉えられるかもしれませんが、僕の場合はむしろ逆で、とても臆病なのです。

僕はたまたまカラスミ作りという遊びが評判になって料理に信用が生まれて、料理の信用から「借金玉」という“商売”に信用が生まれて、借金玉の信用から更に本が売れて……と、一生懸命やり続けて回転し続けているからこそ生まれている循環があります。その循環がいきなりポンと止まることが怖いのです。

僕はかつて起業してがむしゃらに働いていた時期があるのですが、結局うまくいかずに3年と経たず事業はストップし、2000万円を超える莫大な借金を背負ってしまいました。あの頃は本当に仕事しかしていなくて、うまくいっている時はそれで良かったのですが、ひとたび流れが悪くなると、次の企画は生まれないし、事業の立て直しにつながるようなアイディアも出てこない……。完全な悪循環でした。

「仕事をするためには仕事をしない」みたいな、やや抽象的で難しい話になってきてしまうのですが、僕はかつての経験からも、「動くこと」そして「楽しむこと」を忘れないようにしています。

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借金玉

しゃっきんだま
1985年、北海道生まれ。ADHD(注意欠如・多動症)と診断されコンサータを服用して暮らす発達障害者。二次障害に双極性障害。幼少期から社会適応がまるでできず、小学校、中学校と不登校をくりかえし、高校は落第寸前で卒業。極貧シェアハウス生活を経て、早稲田大学に入学。卒業後、大手金融機関に就職するが、何ひとつ仕事ができず2年で退職。その後、かき集めた出資金を元手に一発逆転を狙って飲食業界で起業、貿易事業等に進出し経営を多角化。現在は、不動産営業とライター・作家業をかけ持ちする。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)がある。
Twitter @syakkin_dama

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