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「日本語だけの情報源に頼っていると1、2年遅れる」取材殺到のノーベル経済学賞受賞者のインタビューをすぐとれたジャーナリストが愛読する海外メディア

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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「時の人」になる前に目をつける

仕事柄、著名人へのインタビューが多いので、いつも心がけているのは、「時の人」になる前に目をつけておくということである。

世界的に注目されるようになってから接触しようとするとハードルがかなり高くなるが、まだそこまで有名でないときにアプローチしておくと、懐に入るチャンスはグッと高まるからだ。

ビジネスシーンなら、取引先で近い将来、重要人物になるキーパーソンに目をつけておくことが大事なことと同じだ。

そのための基礎トレーニングとしては、日ごろから英語の記事や本を読んでおくことである。

欧米ではすでに注目されているものの、日本ではまったく注目されていない人物やテーマを発見できる。

例えば2024年ノーベル経済学賞を受賞したダロン・アセモグルに、私が最初にインタビューしたのは12年以上前のことだった。

彼は40歳未満のアメリカ在住の経済学者に贈られる、ノーベル賞に次ぐ権威ある賞であるジョン・ベイツ・クラーク・メダルを2005年に受賞し、2012年に『Why Nations Fail: The Origins of Power, Prosperity, and Poverty(国家はなぜ衰退するのか)』を、ノーベル経済学賞を共に受賞することになるジェイムズ・A・ロビンソンとの共著で上梓していた。

世界中で耳目を集めたが、翻訳本が出た後でも日本ではそこまで注目されていなかった。私は以前からアセモグルに連絡しており、もうすぐ翻訳本が出ることがわかったときにインタビューを申し込んだ。

最初は拒否まではされなかったが、快諾という感じでもなく、電話でなら応じるとのことだった。

取材内容が難しいので対面インタビューしかないと思っていたが、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンと昵懇の仲であると伝えると、すぐに対面インタビューの快諾が得られた。

ここでは世界的に著名なクルーグマンと親しいことが役に立った。今アプローチしようとしている人よりもはるかに著名な人物を知っているとかなり効果がある。

そしてノーベル賞を受賞する1年前、2年前にも彼に対面インタビューしている。だからこそ、ノーベル経済学賞を受賞したとき、世界中から取材が殺到していてもすぐにインタビューに応じてくれたのである。

しかも発表直後と授賞式からアメリカに帰国した直後の2回も気軽に応じてくれた。もしノーベル経済学賞を受賞したときに初めてインタビューを申し込んだら、拒否されていただろう。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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新刊紹介

大野和基

おおの・かずもと/国際ジャーナリスト。

1955年生まれ、兵庫県西宮市出身。大阪府立北野高校卒。
東京外国語大英米学科卒業後、1979年に渡米。コーネル大学で化学、ニューヨーク医科大学で基礎医学を学んだ後、ジャーナリストの道に進む。
​以来、国際情勢の裏側や医療問題に関するリポートを発表するとともに、世界的な要人・渦中の人物への単独インタビューを次々とものにしてきた。芸能ゴシップから国際政治経済モノまで、すべてを等距離に置くことをモットーとする。
3カ月で10万部のベストセラー『コロナ後の世界』(ジャレド・ダイアモンドほか、文春新書)、『民主主義の危機』(イアン・ブレマーほか、朝日新書)などの訳書、『つながりすぎた世界の先に』(マルクス・ガブリエル)、『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(ジム・ロジャーズ、ともにPHP新書)、『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』 (NHK出版新書)などインタビュー・編著多数。
著書に『私の半分はどこから来たのか』(朝日新聞出版)、『日本人だけが知らない世界基準の「質問力」』 (祥伝社)などがある。
公式HP■https://www.kaz-ohno.com/

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