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川村エミコ「わたしもかわいく生まれたかったな」
お笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコが、不幸な星のもとに生まれてしまったばっかりに、
ちょっと生きづらく、でもどこかほっこりするような日々を、つらつらと書いていきます。
前回は、小学生時代のお忙しい習い事生活について。
今回は、川村さんの大好きな“こけし”との出会いが綴られます。

エミコ、こけしに出会う

こけしと私の出会い

 わたくし、こけしがとても好きです。
 こけしと聞くとなんとなく怖いイメージがあるかと思いますが、そんなことはありません。
「いやいや、またまた」とお思いになったでしょう。
 まずは私とこけしの出会いについてお話しさせてください。

 20代後半。人生リセットするならギリギリだぞ!っていう27歳手前だったと思われます。
 私は新井薬師駅前の焼き鳥屋さんでバイトをしていました。そこでのバイトは夕方5時からの開店に合わせて、4時30分入り〜深夜3時まで。お店自体は4人がけのテーブル席3つに、カウンター席が12席ほど。お店の閉店作業は2人体制。
 とにかく店長さんがとてもいい人で、大学が同じだったという理由で26歳の私を雇ってくれました。

 シフトが入った状態で「すみません。明日、オーディションが入りました。休ませてください。」なんて言ったもんなら、通常ならば「はぁ? こっちも仕事でしょうが! 意識が足りな過ぎる! もう来なくていいです。」とか言われて「はい!サヨナラ!!」つまり「クビ」が多い中、この店長は「OK分かった!!行ってこーーーーい!! その代わり、合格して来いよ!!」(親指を立てたgood!サイン)と青春漫画並みのアツさと心意気で送り出してくださる方でした。私は中野一アツい男だと今でも思っております。どうにもこうにもやりくりが出来なくなった時は、お給料の前借りもさせてくださいました。

 川村「店長、お給料の前借りは可能でしょうか?」ドキドキしながら聞いたところ。
 店長「よぉぉぉぉぉぉぉぉぉし、分かった。準備しておくから、取りに来なさい。」
と快くOK。さらに、その月働いた分を、4万円にくり上げてくれました。
 九州系の所謂「ぢどり(地鶏)」のお店だったので、まかないも最高でした。「チキン南蛮 タルタルソース掛け」ANDご飯 AND煮物です。まかないをお持ち帰りにしても可なのも最高でした。

 かなりありがたい環境でバイトしていたのですが、楽あれば苦あり。良いことばかりではありませんでした。

 なるべく突然休むことがないように深夜の閉め作業の時間帯にシフトを入れてもらうことが多かったのですが、閉め作業の人数は2人。でも、店内に3人。あれ!?です。もちろんお客さまです。深夜3時までOKなんですから……。
 しかし、そのお客様が問題でして。もう1人のバイト君の彼女さんなのです。

 お店の1番手前のカウンター、そこは焼き鳥の焼き台のすぐ横なのですが、キャッキャッ! キャッキャッ!と楽しそうな声が響きます。
「ねぇ、はに丸君って覚えてる?」と彼女さん。バイト君は「わかってるよぉ〜。あれだろ、あれ!」とはに丸王子の歌を歌い始めます。
 私はというとグリスト掃除という、床を開けるとGEROみたいなニオイと共にGEROみたいなものが溜まっている場所があるのですが、そこのDORODOROしたものを金魚すくいの要領ですくっては捨てる作業をしているわけです。
 そのバイト君はちょっとエライバイト君だったので、「たまには変わってください。」とも言えず、明るく「変わってくだされ!」とか言ってみようかなぁ。と何度か試みたのですが、実行には移せず。
 彼女さんとキャッキャッ! キャッキャッ!するのを横目にジッと我慢していました。

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川村エミコ

かわむら・えみこ●1979年神奈川県生まれ。お笑いコンビ『たんぽぽ』のボケ担当。主な出演作品に日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』、フジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』、東海テレビ『スイッチ!』など。
オフィシャルブログ→https://ameblo.jp/sienne04
Twitter→https://twitter.com/kawamura_emiko
YouTubeおかっぱちゃんねる川村エミコ公式動画館→https://www.youtube.com/channel/UCGkqb7PyCVGojtVkAOL58Bg

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