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川村エミコ「わたしもかわいく生まれたかったな」

昭和の小学生も忙しかった! 一週間の習い事

 木曜日は火曜日と同じく、公文式。
 没頭できる時間。

 金曜日。キンダースイミングスクール。鶴見駅の坂の上。
 始めたのはピカピカの小学一年生の春。
 お風呂で溺れて水恐怖症になっていた私。
 小学一年生からプールの授業がある事を心配した母が申し込みをしてくれました。

 スイミングスクール初日。初級コース。水にジャポンと飛び込む練習からスタート。
 順番になっても水が怖くて、プールに入れませんでした。プールサイドでとにかく見ていました。
 その翌週もその翌週もまたその翌週も着替えて行くのですが、ジャポンができずに1ヶ月。ご両親達がプールを見られる場所からお母さんが「がんばれー!」って口パクで言ってくれてました。
 あるとき、渾身の勇気を振り絞り、ジャポンっと飛びこみました。ぶくぶくビックリしたけど、不思議と怖く無くて、すぐコーチが引き上げてくれたのもあるのですが、そこから急に水が好きになりました。

 そこまで1ヶ月くらい掛かったので、今考えるとプールサイドで見ていただけの1ヶ月のお月謝が本当に勿体ないなぁというのと申し訳ないなぁという気持ちになります。その日プールが終わって、スイミングスクールの食堂でフライドポテトをお母さんが買ってくれました。そのフライドポテトが今世紀最大に美味しくて、プール+フライドポテトは私の大好きな組み合わせの一つになりました。
 その後、小学生時代はずっと通い続けまして、選手コースに誘われるまでになりました。

 小学生時代のプールで覚えているのが、おとなの男性を意識した瞬間です。
 練習が終わった後、みんなでシャワーを浴び、サウナで温まる時間があるのですが、40人くらいの小学生の中に、かっこいいSコーチがいました。誰かがスイミング帽を落としたようで、「おーい。これ誰のだ?」とみんなに聞いてました。
「お前か? お前か?」と聞いてみんな違うと答えました。私も首を振りました。Sコーチは「なんだ誰のでも無いなら、かぶっちゃうぞー!」言ってそのスイミング帽をかぶりました。
 サウナ内が笑いに包まれました。その時です。まさかのまさか。そのスイミング帽は私のだったのです。
 すんごい小さな声で「私のでした。」と伝え、顔が真っ赤になり、俯きました。
 大きい声で言いなさい。とSコーチに言われて、更に顔が赤くなったのを覚えています。
 そして、スイミング帽を返して貰ったのですが、そっと私は匂いを嗅ぎました。
 嗅いだ事の無いSコーチの男らしい香りとコーチがかぶった事で伸びてしまったスイミング帽にものすごい男性を感じたのを覚えています。
 
 今ふと思ったのですが、後に川村家に登場した、白ごはんのおかずにフライドポテトを出すというお夕飯は、私がプールの後のフライドポテトが大好きだったからかもしれないなぁと思いました。

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川村エミコ

かわむら・えみこ●1979年神奈川県生まれ。お笑いコンビ『たんぽぽ』のボケ担当。主な出演作品に日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』、フジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』、東海テレビ『スイッチ!』など。
オフィシャルブログ→https://ameblo.jp/sienne04
Twitter→https://twitter.com/kawamura_emiko
YouTubeおかっぱちゃんねる川村エミコ公式動画館→https://www.youtube.com/channel/UCGkqb7PyCVGojtVkAOL58Bg

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