よみタイ

川村エミコ「わたしもかわいく生まれたかったな」
お笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコが、不幸な星のもとに生まれてしまったばっかりに、
ちょっと生きづらく、でもどこかほっこりするような日々を、つらつらと書いていきます。
前回は、川村さんの歯並びとの戦いについて。
連載第7回は、18歳の時に出会った、永遠のヒーロー・Iくんのお話です。

川村エミコ、18歳の出会い

わたしの中のずーっとヒーロー

 高校生でもなく、大学生でもなく、社会人でもない、浪人生。どこのカテゴリーにも所属出来ず、映画を観る時や美術館に行った時、自分がどこにも所属してない、所属出来ていない事に落胆する浪人時代の話です。1998年、川村恵美子、浪人時代。

 そこの塾は厳しくて有名でして、机の上をどかどか歩きながら「こんな簡単な問題分からないようじゃ、線路にひかれて死んじまえ!」やら「お前なんで生きてんの?」やらをすぐ言ってくる毎日白色のビッグワイシャツに黒い細パンツの先生や、話す時に首が少し傾いていて、汗がブンブン飛んでくる熱い先生や、すぐあだ名を付ける古文の先生などがいました。
 私はいつも余りに出来ないので「通じない」という意味で「宇宙人」とあだ名を付けられました。
 そして、とにかく生徒に問題を出し、答えられないと、なんで分からないんだ! と机をバンバン叩いてくるものすごい怒る怖い学長がいました。

 その学長での授業でのことです。100人はいる教室でした。英語の授業でした。
 いつもの如く学長はすぐに問題を出してきます。
 日本語訳を答えなさい、という問題でした。
 緊張感の中、ある女の子が指されました。

「ボビーはアランに頼まれるがまま、その大きなサインが付いた荷物を小屋の中にしまいました。」

 全く違う訳でした。
 その学長はすぐさまその子の所にやってきて、髪の毛を鷲掴みにして、グイグイと引っ張りました。
 女の子は顔を真っ赤にして下を向き、涙をグッと堪えました。
 学長は「しっかりしろ!」と言いました。

 その時です。
 緊迫した空気の中、スッと立ち上がった男の子がいました。
 Iくんです。

「そういう事するのは間違っていると思います。」

 100人はいる教室で立ち上がって意見を言えるIくんは本当にカッコ良かったです。
 学長は言いました。
「だったら、出て行けっ!」と。
 Iくんは荷物を持ってサッサと出て行きました。

1 2 3

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

関連記事

新刊紹介

川村エミコ

かわむら・えみこ●1979年神奈川県生まれ。お笑いコンビ『たんぽぽ』のボケ担当。主な出演作品に日本テレビ『世界の果てまでイッテQ!』、フジテレビ『めちゃ2イケてるッ!』、東海テレビ『スイッチ!』など。
オフィシャルブログ→https://ameblo.jp/sienne04
Twitter→https://twitter.com/kawamura_emiko
YouTubeおかっぱちゃんねる川村エミコ公式動画館→https://www.youtube.com/channel/UCGkqb7PyCVGojtVkAOL58Bg

週間ランキング 今読まれているホットな記事