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「カープの顔」衣笠祥雄の笑顔をチームの伝統にしてほしい~元・広島東洋カープ選手

広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
衣笠祥雄(きぬがさ・さちお)●1947年1月18日~2018年4月23日。日本のプロ野球選手(内野手)。65年に、京都の平安高等学校卒業後、広島東洋カープに入団。74年までの背番号28から、横山光輝の漫画『鉄人28号』にちなんだ「鉄人」の愛称で親しまれ、そのニックネームは背番号が3となってからも引退後もずっと残り続けた。
数々の記録を残したが、やはり鉄人の名にふさわしい、連続試合出場記録日本記録・世界2位記録、連続フルイニング出場歴代3位が有名。通算安打数歴代5位、通算本塁打数歴代7位(通算504本は張本勲とタイ)の記録保持者。赤ヘル打線の主砲として、広島カープ黄金時代を築き上げたまごうことなき「チームの顔」である。

「チームの顔」を背負うことの重責

早いもので、この連載も最終回である。
これまで、さまざまなスポーツ選手の「顔」について語ってきた。言うまでもなく、「顔」はその選手固有のものだ。しかしこれが「チームの顔」となると、とたんに背負う意味が大きくなってくる。

そんなことを考えたのは、自分の贔屓のチームである広島東洋カープ、その「カープの顔」とは誰なのだろう?とふと思ったからだ(ちなみにカープには「カープ顔」という概念もあり、それは「カープにいそうな顔」という意味で、正田耕三などが代表格とされている)。

「チームの顔」と呼ばれる選手は、一般的には圧倒的な成績を残し、「このチームの顔といえば?」と聞くと、多数の人がその名前を答えるような、代表的存在のことである。
その功績は引退しても「永久欠番」という形で後世に伝えられていくことがほとんどなため、「チームの顔」というのは「永久欠番になっている(あるいはなりそうな)選手」と言い換えてもいいかもしれない。

ところで、カープの永久欠番は3と8と15の3つである。それぞれ衣笠祥雄・山本浩二・黒田博樹の3名が背負っていた番号だ。
黒田の場合はまだ引退して数年しか経っていないこともあり、「カープの顔といえば?」と聞かれれば、多くの人が衣笠と山本の名前を挙げるのではないだろうか。
現役通算536本塁打を打ち、「ミスター赤ヘル」と呼ばれた山本。一方、日本記録となる2215試合連続出場を遂げ、「鉄人」と呼ばれた衣笠。どちらも「カープの顔」と呼ぶにふさわしい人物だ。

しかし私はここで衣笠を「カープの顔」としたいと思う。

「カープにいそうな顔」ではなく、名実ともに「カープの顔」である
「カープにいそうな顔」ではなく、名実ともに「カープの顔」である
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オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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