2021.3.16
「カープの顔」衣笠祥雄の笑顔をチームの伝統にしてほしい~元・広島東洋カープ選手
数々の記録を残したが、やはり鉄人の名にふさわしい、連続試合出場記録日本記録・世界2位記録、連続フルイニング出場歴代3位が有名。通算安打数歴代5位、通算本塁打数歴代7位(通算504本は張本勲とタイ)の記録保持者。赤ヘル打線の主砲として、広島カープ黄金時代を築き上げたまごうことなき「チームの顔」である。
「チームの顔」を背負うことの重責
早いもので、この連載も最終回である。
これまで、さまざまなスポーツ選手の「顔」について語ってきた。言うまでもなく、「顔」はその選手固有のものだ。しかしこれが「チームの顔」となると、とたんに背負う意味が大きくなってくる。
そんなことを考えたのは、自分の贔屓のチームである広島東洋カープ、その「カープの顔」とは誰なのだろう?とふと思ったからだ(ちなみにカープには「カープ顔」という概念もあり、それは「カープにいそうな顔」という意味で、正田耕三などが代表格とされている)。
「チームの顔」と呼ばれる選手は、一般的には圧倒的な成績を残し、「このチームの顔といえば?」と聞くと、多数の人がその名前を答えるような、代表的存在のことである。
その功績は引退しても「永久欠番」という形で後世に伝えられていくことがほとんどなため、「チームの顔」というのは「永久欠番になっている(あるいはなりそうな)選手」と言い換えてもいいかもしれない。
ところで、カープの永久欠番は3と8と15の3つである。それぞれ衣笠祥雄・山本浩二・黒田博樹の3名が背負っていた番号だ。
黒田の場合はまだ引退して数年しか経っていないこともあり、「カープの顔といえば?」と聞かれれば、多くの人が衣笠と山本の名前を挙げるのではないだろうか。
現役通算536本塁打を打ち、「ミスター赤ヘル」と呼ばれた山本。一方、日本記録となる2215試合連続出場を遂げ、「鉄人」と呼ばれた衣笠。どちらも「カープの顔」と呼ぶにふさわしい人物だ。
しかし私はここで衣笠を「カープの顔」としたいと思う。