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顔より先にポーズが思い浮かぶ人、五郎丸歩の引退によせて〜五郎丸歩(ラグビー選手)

広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
五郎丸歩(ごろうまる・あゆむ)●86年、福岡県出身。ラグビー選手でポジションはフルバック(FB)。佐賀工業高校時代には3年連続で花園に出場し、全てベスト8まで進出、U17日本代表にも選ばれる。その後、早稲田大学スポーツ科学部スポーツ文化学科に進学し、同大学ラグビー部では1年次からフルバックのレギュラーとして活躍し、全国大学選手権優勝を経験。2005年3月、大学生で日本代表に選出され、対ウルグアイ戦で日本代表デビュー。2015年にはラグビーワールドカップ2015の日本代表に選ばれ、本大会ではグループリーグ4試合に出場し、58得点を記録。2020年12月9日、2021年シーズン終了をもって、現役を引退することを表明。

全国に瞬く間に浸透したあの「ポーズ」

ある人を思い浮かべる時、その人の顔より先にポーズが思い浮かんでしまうことがある。
たとえばお笑いタレント・ゴルゴ松本を思い浮かべようとすると、顔より先に「命!」のポーズが思い浮かぶといった具合だ。それは失礼なことかも知れないけれど、同時にそのポーズが多くの人に浸透しているということの証でもある。

そうした「ポーズ」を持つスポーツ選手の代表格が、ラグビー元日本代表FBの五郎丸歩ではないだろうか。
キックの前に体を屈め、胸の前で両手を組んだ五郎丸の姿が注目されるようになったのは、今から6年前、2015年にイングランドで開催されたラグビーワールドカップであった。日本代表は1次リーグで強豪・南アフリカを破って24年ぶりのワールドカップ勝利を果たすと、その後サモア、アメリカにも勝利して3勝を挙げた。勝ち点の差で決勝トーナメント進出こそ叶わなかったが、多くの人がラグビーに注目するようになり、その中でも特に合計58得点を挙げて活躍した五郎丸の「ポーズ」が取り上げられるようになったのである。

このポーズは瞬く間に世間に浸透した。
子どもたちはこぞって「五郎丸ポーズ」を真似し、「五郎丸と顔が似ている」と話題になったスピードワゴン・井戸田潤はこのポーズを持ちネタの一つにした。両手を組む際に人差し指を立てる姿が、まるで印を結ぶ忍者のようでもあるとして、日本忍者協議会が五郎丸に対して「マスター・オブ・ニンジャ」の称号を授与したことも報じられた。果ては2015年の新語・流行語大賞に「五郎丸ポーズ」がノミネートされることとなったのである。

初めて見た時はいったい何のおまじないだろうと思った人も少なくないはずだ
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新刊紹介

オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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