2020.9.29
異例の白い歯の持ち主・新庄剛志は来季どこかの球団にいるのだろうか〜新庄剛志(元プロ野球選手)
思い返せば、選手時代の新庄の存在そのものが異例ずくめであった。
外野フライをダイビングキャッチしたり、矢のような本塁送球でランナーを刺したりといったプレーも魅力的であったが、パフォーマンスも並外れていた。
選手として脂が乗っていた1995年、突如として引退宣言を行ったり(後に撤回)、投手としてオープン戦に登板して三者凡退に抑えたり、日本人野手では前例がないメジャー挑戦をしたり、帰国後入団した日本ハムではドームの天井から吊り下げられて登場したり、様々なかぶり物をしたり……。
エピソードを挙げればきりがない。まさに「記録より記憶に残る選手」という言葉がふさわしい。
13年のブランクを経ての48歳での現役復帰宣言
2006年シーズン限りでユニフォームを脱ぎ、その後はバリ島で悠々自適な生活を送っているかのように見えた新庄。ところが昨年、新庄は突如として現役復帰を表明し、トライアウトを受験することを公言したのである。過去にも引退後に現役復帰を果たした選手は何人かいるが、いずれもブランクは1年、長くても数年といったところで、新庄のように13年のブランクがあり、しかもその間に野球に一切携わっていなかったという例は皆無である。
そして現在新庄は48歳。50歳まで現役を続けた山本昌(元中日)の例もあるが、この年齢からの現役再挑戦というのも異例中の異例のことだ。
普通であれば、ほとんどの人が「無理」という判断を下すだろう。
しかし、新庄である。異例ずくめの新庄ならば、もしかして本当にやってくれるのではないだろうか。現にテレビに登場した新庄は現役時代と変わらない体型を保ち、現役復帰に向けてトレーニングを続けているとのことであった。
いまだコロナ禍の影響が大きい現在のプロ野球界において、新庄の登場は風穴を開けてくれるのではないかという淡い期待を私は持っている。来季どこかの球団のユニフォームを着た新庄が、あの白い歯を見せて笑う姿が見られるのだろうか。
もし自分の贔屓の球団に新庄が来たらどうなるだろう……? というワクワクソワソワした気持ちで、今後の新庄の動向を追っていきたいと思う。