2020.9.15
116㎞を走っても笑顔の人・24時間テレビ「募金ラン」の高橋尚子に習うべきこと~高橋尚子(元陸上競技選手)
異例中の異例だった今年の『24時間テレビ』の「募金ラン」
私は生涯において、ただの一度も「マラソンに挑戦しよう」と考えたことのない人間である。最近では東京マラソンをはじめ、市民参加のマラソン大会が大人気だが、なぜ参加費を払ってまで苦しい思いをしなければならないのかがどうしても分からない。
そんなわけで、今年の『24時間テレビ』(日本テレビ系列)で高橋尚子が挑んだ「募金ラン」企画の内容を聞いたときは、一瞬意味が分からずもう一度確認し直してしまった。
例年であれば100㎞前後の距離を走るチャリティーマラソンが行われるところだが、今年は沿道に人が集まることを避けるため、「募金ラン」に変更されたという。ランナーも例年のような芸能人ではなく、引退して月日が経っているとはいえ、シドニー五輪女子マラソン金メダリストという、いわば「本職」の高橋が走るというのは異例のことである。
この「募金ラン」のルールは、私有地にある5㎞のコースを1周走るごとに10万円を寄付するというものだ。走れば走るほど自分の財布からお金が出ていく仕組みである。私ならば一歩も動きたくない。
しかし、高橋と5人の「チームQ」メンバー(土屋太鳳、吉田沙保里、陣内貴美子、松本薫、野口みずき)は走り続けた。結果、高橋は目標の100㎞を超えて116㎞、他のメンバーが計120㎞を走り抜き、470万円が寄付されることとなった。