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「熱男リレー」をスルーする、鈴木誠也の人間力〜鈴木誠也(プロ野球選手)

広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
すずき・せいや●1994年生まれ、東京都荒川区出身。2012年のプロ野球ドラフト会議にて、広島東洋カープから内野手として2巡目指名を受け、入団。現在にいたる。
俊足、強肩を持ち味とし、2015年には外野手に転向。翌16年に行われたオリックスとの交流戦で2試合連続サヨナラ本塁打を放ち、それを見た緒方監督が「神がかっていますね。今時の言葉で言うなら『神ってる』よな」とコメント。これをきっかけに、好調な鈴木誠也やチームを表す表現として「神ってる」はメディアやファンに愛用され、その年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれたほど。

前回に引き続き、またしてもSNS上のリレーの話となる。
それは4月10日、突如としてインスタグラムで始まった。

ソフトバンク・松田宣浩が「#熱男リレー」というハッシュタグとともに「今みなさん大変な時期だ……ですけど、ここは力を合わせて乗り越えていきましょう。熱男―!!」というメッセージ動画を投稿したのである。
そして「次はあなたです!」と、チームメイトの和田毅や柳田悠岐ら7人を一気に指名した。

そもそも「熱男」とは、2015~16年にソフトバンクが掲げたチームスローガンだ。
当時選手会長をしていた松田が、ホームランを打つたびに拳を突き上げて「熱男―!!」と叫ぶパフォーマンスをするようになり、それはスローガンが変わった現在も続いている。
今では「熱男」は、松田の代名詞ともなっている。

「熱男リレー」を始めた理由として、松田はラジオ番組で
「こういう状況だから、プロ野球選手として今何ができるかという単純な思いだけで。『熱男』という言葉はシンプルなので、この言葉を日本中にバトン渡したいなという、ただその思いだけですね」(NHK「らじるラボ」4月20日放送)と語っていた。松田の思惑通り、「熱男リレー」は野球選手にとどまらず、他競技の選手や芸能人にまで広がっている。
「ここまで広がるとは思ってなかったのでめちゃめちゃびっくりしてます」と松田は驚いていたが、別に驚くにはあたらない。
松田が1日目に7人を指名して、そのバトンを受け取った7人が翌日にまた7人ずつ指名したとすれば、松田がラジオ出演した4月20日(「熱男リレー」開始10日後)には、本人含め3億2955万4457人にバトンが渡っている計算となる。そして12日後には世界の人口を超える(161億4816万8401人)。
SNSリレーとは、ドラえもんのひみつ道具「バイバイン」並みに驚異的な増え方をするものなのだ。私は今後もこの恐ろしさを語り継いでいくつもりである。

ところでなぜ161億人が「熱男―!!」と叫ばなかったかと言えば、リレーが途中で止まったりするからだ。
その「リレーを止めた人」の1人が、カープの4番・鈴木誠也である。

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オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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