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今こそ修造マインドで、冷え込んだ世の中を乗り切りたい〜松岡修造(元プロテニス選手・現スポーツキャスター)

広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
1967年、東京都出身。男子プロテニス選手として活躍し、ATP自己最高ランキングはシングルス46位、ダブルス95位。1995年のウィンブルドン選手権男子シングルスでは日本人男子として62年振りにグランドスラムベスト8に進出、また、ウィンブルドン選手権での通算7勝は2015年に錦織圭に抜かれるまでは、日本人最多の記録であった。
現役引退後はジュニア選手の指導、日本テニス協会の理事を務めるなど引き続きテニスに携わりつつ、スポーツキャスターや解説者、タレントとしても活躍。強く明るく熱いそのキャラクターで、スポーツ番組だけでなくバラエティやCMにも引っ張りだこの存在に。

プロ野球は開幕延期、Jリーグは3月中の公式戦再開を延期、高校野球春のセンバツの中止、マスターズの延期……。
新聞のスポーツ欄を開けば、毎日のように試合延期や中止のニュースが飛び込んでくる。言うまでもなく、新型コロナウイルスのせいである。

相手が目に見えない脅威であるがゆえに、一体この状況がいつまで続くのかが分からない。
そもそも普段の生活において、咳払い一つにも周囲の目を気にし、これでもかというほど手を洗い、一瞬たりとも気を緩めることができない。
自覚はなくとも我々のストレスは蓄積していく一方である。

だからストレス解消のためにさまざまなことに手を出す。
一斉休校で給食用牛乳が余ったと聞けば「蘇」を作り、疫病退散にご利益があるという江戸時代の妖怪「アマビエ」の絵を描いてみたりする。しかし、何となくすっきりしない。
やはり私はスポーツが観たいのだ。
観る側にとって、スポーツ観戦とは一種のストレス浄化作用であることを改めて思い知らされている今日この頃である。

閉塞感が漂い、どことなく冷え込んだ今の世の中に足りないものは何か。それは「熱気」ではないだろうか。この「熱気」という言葉を聞くと、真っ先に思い浮かぶのは松岡修造の顔である。

1995年のウィンブルドン選手権で62年ぶりのグランドスラムベスト8に進出、3大会連続のオリンピック出場など、テニスプレーヤーとしての松岡修造の活躍は素晴らしかった。しかし今、多くの人がイメージするのは、引退後のスポーツキャスター、タレントとしての姿だろう。

C.C.レモンのCMで「できる! できる! 君ならできる!」と歌い踊る修造。
日めくりカレンダーで「君は本気か?僕は本気だ!!」と気迫の形相で訴えかけてくる修造。
ファブリーズのCMで太陽役をやらされる修造。太陽が擬人化される場合、大体は福々しい丸顔に描かれるものだが、シュッとした、どちらかと言えば涼しげな顔の修造が抜擢されたのは、ひとえにそのキャラクターのなせる業であろう。

いつしか松岡修造を形容する言葉として「熱血」「暑苦しい」が定着するようになり、「松岡修造が行くところは気温が上がり、修造が去れば寒くなる」といった都市伝説もまことしやかに囁かれるようになった。私がもし小学生ならば、「松岡修造の居場所と気温の変化について」という夏休みの自由研究をやってみたい。

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オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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