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活動休止(?)を経て、ザギトワの顔立ちはまたどんな進化を遂げるのだろう〜アリーナ・ザギトワ(フィギュアスケート選手)

広島カープを、プロ野球を、いやいやスポーツ界をこよなく愛するイラストレーター、オギリマサホ。その愛ゆえか、職業柄か、なんだか気になる、なんとも魅かれる、スポーツ選手たちの顔、顔、顔……見渡せばスポーツ界にはイケてる顔面が大豊作。愛すべきその面々、ちょっと斜め下から分析しちゃいます!
2018年平昌オリンピック金メダリストにして、数々の世界大会を制してきた美貌のフィギュアスケーター、アリーナ・ザギトワ。
今季グランプリファイナルでの不振ののち、ロシアでのテレビ放送にで突然の活動休止を発表するも、その後自身のInstagramにて引退については否定。今後の動向に注目が集まっている。

どんなに美しい顔立ちの人であっても、必ず顔が崩れてしまう瞬間というのが人生には二度ある。

一度目は全力でピッチングをしている瞬間。
二度目はフィギュアスケートで回転している瞬間である。

多くの人はピッチャーではないしスケーターでもないので、そのことに気付かずに済んでいるだけなのだ。

一方、アスリートたちは日々公衆の面前で「その瞬間」を晒さなければならない。目は半開きになり鼻の穴は全開、大きく口を歪めた「その瞬間」の写真が新聞に大きく掲載されている時、そこにほのかな悪意を感じてしまうのは私だけではあるまい。

ところがここに、どの瞬間を切り取られても顔が崩れない人がいる。
ザギトワである。

2018年の平昌オリンピックで金メダルを決めたフリーの演技中、後半にジャンプを連発している際も、ザギトワの顔は整ったままだった。「お人形さんみたいな顔」というのは、まさにザギトワの顔を表現するためにあるような言葉である。

美しかったザギトワはさらに美しく、愛らしかったマサルは大きく頼もしく
美しかったザギトワはさらに美しく、愛らしかったマサルは大きく頼もしく

ところで「お人形さんみたいな顔」という表現で、ふと沢尻エリカを思い出した。

そういえば一部の人の間で、ザギトワと沢尻エリカの顔が似ていると話題になったこともあった。
平昌オリンピックのエキシビションで、ザギトワが全身トラ柄の衣装を着て登場した時にある種の既視感を覚えたものだが、そうだ、あれは「別に…」騒動の時の沢尻エリカの全身ヒョウ柄衣装を彷彿とさせたのだ。
確かに沢尻エリカも顔が崩れないタイプの人である。
泣く演技の時も、怒った演技の時も、顔が整っている。仮に沢尻エリカがマウンドに立ったとしても、顔色一つ変えずに剛速球を投げるだろう。
皮肉にも今回の逮捕に伴い、クラブではっちゃける沢尻エリカの画像が報道されるに至り、「この人はこういう表情もするのか……」と改めて知った次第である。

話がすっかり逸れてしまった。ザギトワに戻ろう。オリンピックの翌月に行われた世界選手権では総合5位に終わったものの、今年3月には雪辱を果たし優勝。主要な世界大会全てを制した。
ところが今季、ザギトワはこの12月にトリノで行われたグランプリファイナルで最下位に沈み、その5日後に競技活動の休止を発表したのである。
その後、引退も活動休止についても本人は否定はしたものの、その動向には注目が集まっている。

リカちゃん人形はバービー人形へと成長を遂げた

あの平昌オリンピックからまだ2年も経っていないというのに、一体何があったというのだろうか。

そう思って去年と最近のザギトワの映像を見比べてみた。
すると、15歳のザギトワの手足は小枝のように細く、顔立ちも幼さが残っている。しかし現在17歳のザギトワは成長し、すっかり大人の女性という雰囲気になっているのだ。たとえて言うならリカちゃん人形がバービー人形になった感じである。

その「成長」がジャンプに影響を与え、フィギュア選手にとっては重荷になることはよく知られている。現に先日のグランプリファイナルで表彰台を独占した「ロシア3人娘」、コストルナヤ・シェルバコワ・トゥルソワはザギトワと同門の後輩だが、ザギトワが飛べない4回転を軽々と飛んでいく。
しかしザギトワと彼女たちは1~2歳しか違わない。日本の学年でたとえるなら、高2のザギトワを高1のシェルバコワとコストルナヤ、中3のトゥルソワが追い上げる構図だ。

己が高2の時なんて何をしていたか。
私は毎日学校が終わるとすぐに帰宅し、夕方に再放送されていた「大岡越前」を見ているうちに1年が過ぎたように記憶しているが、そのことは今はどうでもいい。彼女たち競技選手にとっては2年という月日は十分すぎる長さなのである。

それが証拠に、ザギトワの飼い犬・マサルも、昨年5月に海を渡った時にはムクムクした子犬だったはずだが、先日ザギトワのインスタグラムに掲載された姿はザギトワの倍くらいの大きさになっていた。「たった2年」の間に、ザギトワもマサルも大きく変化していったのである。

今後ザギトワがどのような活動をしていくかはまだわからない。
紆余曲折を経て、もしかするとザギトワの顔が崩れる瞬間も訪れるのかもしれない。

しかしそれも人間くさくていいのではないのだろうかと思わずにいられない。

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オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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