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レースクイーンの源流となる女性は、明治時代や戦前にすでに存在していた!?
“レースクイーン”の本音や実像、歴史に真摯に迫り、あまり知られていないその実態、歴史、経済事情など多角的に迫るこの短期連載。
初回は、F1グリッドガール廃止で揺れる世論をよそに、日本のレースクイーン文化は独自に確立し盛り上がっている現状をプロローグ的に伝えました。
今回の第2回は、日本におけるレースクイーンの源流は一体いつから始まったのか? その歴史を徹底的に調べてみたところ、意外な事実が浮かび上がってきて……。

レースクイーンの源流となる女性は、明治時代や戦前にすでに存在していた!?

現在の車両立ちモデル。東京オートサロン2019でEXEDYブースに立つ瀬谷ひかるさん。ツイッターは@hikaru__seya (写真提供/株式会社エクセディ)
現在の車両立ちモデル。東京オートサロン2019でEXEDYブースに立つ瀬谷ひかるさん。ツイッターは@hikaru__seya (写真提供/株式会社エクセディ)

クルマと女性のコラボPRは、あのメーカーが国内初だった!?

レースクイーンになるためには、オーディションはもちろんだが、“前哨戦”がある。
それは、東京オートサロンに立つこと。1月11日~13日の三日間にわたり幕張メッセで開催された国内最大級を誇るこのクルマの祭典には、合計32万人以上の来場者が訪れた。

春のスーパーGTをはじめとするカーレースの開幕戦に向けて、各チームの決定権をもつ関係者が一般客にまじって“車両立ちモデル”をチェック、後日面接に呼ぶのは、もはや慣習となっている。中には、東京オートサロンの自社ステージにて、新体制発表とともに新規レースクイーンを紹介するメーカーもある。

あるレースクイーン志願者はこう語る。

「だいたい前年の11月ごろからオーディションが始まるのですが、ピークは1月。まだチームが決まっていない私たちにとって、東京オートサロンは担当企業様のPR活動はもちろんですが、大切なプレゼンの場でもあるんです」

いろんな狙いがあるにせよ、クルマとそのプロモーションに従事する華やかな女性たちのコラボレーションは、人気絶大。無数の人だかりとフラッシュが絶え間なく焚かれる。

そもそも、この女性とクルマというPRフォーマットは、はたしていつごろからはじまったのだろうか?

筆者の記憶にあるのは、2003年に放送されたNHKスペシャル『映像記録 昭和の戦争と平和 ~カラーフィルムでよみがえる時代の表情~』。そこには、ある劇場できらびやかな衣装を身にまとった女性たちがクルマに乗り、舞台を横断するという場面があった。センターには、凛として立っている男装のスター。“国産自動車の広報用フィルム 昭和12年”と紹介されていた。

まずは、車種がどこのメーカーのものなのか。

正体はニッサン70型乗用車だった。日産自動車広報室から送られてきた資料によると、「ニッサン」ブランド車の記念すべき第一号モデルとして、1937年(昭和12年)3月に生産開始。アメリカのグラハム・ページ社の設備を買い取り、国産化したもので、これによりアメリカの技術を吸収し、日本の自動車産業の自立化を目指した、とのこと。

では、あの豪華絢爛な大舞台と勢ぞろいした女性たちは、いったい……?

戦前で、そうした規模を持っていたのはふたつしかない。
ひとつは、宝塚少女歌劇団。そして、もうひとつは松竹少女歌劇団である。
イチかバチか、ある研究家にコンタクトをとった。

ニッサン70型乗用車。「ニッサン」ブランド第一号モデル。こちらは1938年(昭和13年)式 (写真提供/日産自動車株式会社)
ニッサン70型乗用車。「ニッサン」ブランド第一号モデル。こちらは1938年(昭和13年)式 (写真提供/日産自動車株式会社)
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高橋史門

たかはし・しもん●エディター&ライター。1972年、福島県生まれ。日本大学在学中に、「思想の科学」にてコラムを書きはじめる。卒業後、「Boon」(祥伝社)や「relax」、「POPEYE」(マガジンハウス)などでエディター兼スタイリストとして活動。1990年代のヴィンテージブームを手掛ける。2003年より、「週刊プレイボーイ」や「週刊ヤングジャンプ」のグラビア編集、サッカー専門誌のライターに。現在は、編集記者のかたわら、タレントの育成や俳優の仕事も展開中。主な著作に「松井大輔 D-VISIONS」(集英社)、「井関かおりSTYLE BOOK~5年先まで役立つ着まわし~」(エムオンエンタテインメント※企画・プロデュース)などがある。

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