よみタイ

鈴木涼美「○○○な女~オンナはそれを我慢している」
よみタイでの大好評連載「アラサー女がそんなことで喜ぶと思うなよ」(書籍好評発売中)を終えた鈴木涼美の次なるフェーズは、オンナ目線の女性論。ふと見渡せば、耳に目につく、いろんなタイプ・○○○な女たち。女の敵は女じゃないけど、ちょっとどうなの、それでいいの、な現代女性像を浮き彫りに。

被害者の女〜脳内上書き保存が顕著すぎる話

世の中を被害者と加害者に分けた時、どちらかというと加害者には男が多くて被害者には女が多いような気がするのは割と普通の感覚だ。

死刑囚も刑務所に入っている受刑者も9割は男性だし、300万人もの人的損失を伴った先の戦争をおっぱじめたのも男だし、女殺人鬼とか女詐欺師という言葉があるのもそもそも多くの犯罪の名前が男を想起させる場合が多いから。

だから被害者の女、加害者の男、というなんとなくのイメージもそりゃそうっちゃそうなのだけど、そういった客観的数値とは別の感覚として、被害者意識が強い人と加害者意識が強い人という見方をすると、またちょっと様相は変わってくる。

被害者意識と加害者意識、男と女の違いとは

被害者意識が強い人というのは男にも女にもいて、男が被害者意識が積算されていくと街中で刃物を振り回して罪なき人を傷つけたり放火したりするモンスター的な犯罪者になることもあるし、ナイフまで行かなくても無駄に女より強い力で、妻や子供など自分より弱い者を暴力で支配しようとすることもあるし、そこまでいかなくとも超高い確率で見えない銃を撃ちまくるタイプのすごい嫌な奴になるので、社会に迷惑かけまくっている。

ちなみに男には結構加害者意識が強い人というのもいて、フェミニズムに走る男とか「全員、悪人」っていっといて実はその全員って全部男じゃんみたいな映画を撮る男とか、男って弱いし悪いよなという河島英五っぽい意識で生きている男とか、みんなそれが女性崇拝にも逆にナルシシズムに繋がっているので若干うざいけど、こちらは社会的には実はそんなに加害者っぽくはない。

男の被害者意識は大変危険
男の被害者意識は大変危険

さて本人的には被害者でも、社会的には思いっきり加害者的に育つのが男の被害者意識の特徴だとすると、女の被害者意識というのは社会的にも結構被害者的に育つものだ。

私って可哀想と思っている女がいきなり刃物を振り回したりDVに走ったりするかというと、そういう例は少なく、犯罪の言い訳に自分が可哀想だからと考えるイメージもそんなにない。
それだけで被害者意識の強い男よりはずっと無害なんだけど、では彼女たちは刃物を振り回し、弱い者たちが夕暮れにさらに弱い者を叩く代わりに何をするかというと、世界中に私は被害者ですというPRをしまくるのだ。

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鈴木涼美

すずき・すずみ●1983年東京都生まれ。作家、社会学者。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、東京大学大学院学際情報学府の修士課程修了。大学在学中からキャバクラ嬢として働きだし、20歳でAVデビュー、出演作は80本以上に及ぶ。2009年から日本経済新聞社に勤め、記者となるが、2014年に自主退職。女性、恋愛、セックスに関するエッセイやコラムを多数執筆。
公式Twitter → https://twitter.com/suzumixxx

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