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五輪開会式で4000食廃棄した組織委員会がついた“ウソ”。なぜ日本の弁当大量ロスは止められないのか

「漬物だけそろわない」から廃棄

昨今は自然災害が多く、思わぬ形で食品ロスが出ているケースもあります。

2018年の北海道地震では、北海道の大手コンビニで、幕の内弁当が、中の「漬物だけそろわない」という理由で全部廃棄になりました。
災害時に、食材はいっぱいあるにもかかわらず、チェーンの規格に合わないというだけで商品を出せないという状況に直面した納入業者の社長は、涙ながらに新聞社の取材に答えていました。
なぜ、漬物だけないという理由で、95%以上の食材が揃っている弁当が廃棄されなければならないのでしょう。

一方で、食品を無駄にしないで適した形にしたコンビニもあります。
同じく2018年の北海道地震の際、セイコーマートは、カツ丼にするはずだったご飯を塩むすびにし、より多くの被災者にご飯が行き渡るようにしました。
食品ロスを減らすためには、杓子定規ではなく、臨機応変な対応が求められることがわかります。

セイコーマートが急遽にぎった塩むすび(被災者提供画像)
セイコーマートが急遽にぎった塩むすび(被災者提供画像)

テイクアウト食品の利用が増えている今、市販の弁当やおにぎりをできるだけ無駄にしないために、私たち一人ひとりが「捨てないコツ」を心がけていきましょう。

【捨てないコツ】
・弁当や惣菜は、食べられる量だけ買う。
・特に夏場は食品の足がはやいので、早めに食べきる。
・消費期限が迫ったものを値引きしてでも売り切ろうとする姿勢の店で買う。

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井出留美

いで・るみ●食品ロス問題ジャーナリスト
奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。政府・企業・国際機関・研究機関のリーダーによる世界的連合Champions12.3メンバー。
『あるものでまかなう生活』(日本経済新聞出版)、『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』(幻冬社新書)、『捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ』(あかね書房)など著書多数。
食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。

公式サイト●http://www.office311.jp/
Twitter●@rumiide

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