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肉バカが1年間食べまくって選んだ、焼肉以外の☆☆肉料理店7選【焼ニシュラン2018(番外編)】その2

【見たこともないような巨大なヒレの塊】☆☆[キッチンリボン]

地方にはまだまだ面白いお店がある。

それらのお店の共通点は、長い歴史があり、ヒレをウリにしていること。
名古屋にある「キッチンリボン」もそんなカオスの1つ。

店内は昔ながらのステーキハウスで、オススメは松阪牛のシャトーブリアン。
店主が長い時間をかけて築き上げた信頼関係があってこそ、これほど上質なヒレが揃うのだろう。

500gをはるかに超える塊に焼かれたシャトーブリアンは、中心が美しい赤色だが、そこはしっかりと温度が上がっている。
インパクトの強い店主に言われるがまま、ナイフを引きながら塊を切り分け、口に運ぶ。

信じられないほど繊細な肉繊維が抵抗なく噛み切れ、上品な旨みが口中に押し寄せる。
50年先にも残っていてほしい、レジェンドをまた1つ知ってしまった。

【店主のホスピタリティの虜になる】☆☆[西洋料理 島]

店主・大島さんは、「銀座かわむら」の店主・河村さんよりかなり前になるが、同じ「ゆたか」の出身だ。

祇園に本拠をかまえるゆたか系らしく、ヒレの旨さは言わずもがなだが、「」の特徴はロースが飛び切り旨いこと。

雌の但馬牛の分厚いロースステーキは必食の価値がある。
ステーキの旨さは勿論だが、このお店の良さは大島さんや奥様、そしてお店のスタッフの方々の心地良い接客にもある。

店内に一歩入った瞬間からリラックスしてしまうような大島さんの笑顔。
いかにお客さんに喜んでもらうかを考えたサービス。
とにかくこれほど居心地の良いステーキ屋さんは他にない。

ゆたかと比べると圧倒的に手頃な値段、そして優しい笑顔でリラックスしてお肉に集中できる居心地の良い空間。

行きつけにしたいステーキ屋さんNo.1だ。

【拘り抜いた神戸ビーフが並ぶ炉窯ステーキ】☆☆[IDEA銀座/イデア]

私の知る限り、東京でも屈指の上質な牛肉を仕入れているのが銀座の「イデア」。

黒毛和牛の中でも純但馬血統の雌牛、さらにその中でも信頼する肉屋さんが長年培った目利きで、その日の最高の個体だけを競り落とす。
生産者を限定していないのだが、最高峰を選ぶと、自然に特定の生産者の個体が多くなるのも面白い。

巷で流行っているような熟成ではなく、適度に肉の状態が落ち着いた頃にお店に送られてくる肉のブロックは、しっとりと艶やかで、肉色が濃い。

特注の大きな炉窯と対話するように肉に火を入れる。
あら皮の影響を強く受けているステーキは、特注の炉釜によって表面はカリッとしていながら、その数ミリ下からはビロードのような肉肌が姿を見せる。
もちろん中心までしっかりと炉釜の熱は届いている。

ステーキを噛み締めれば、その個体の持つポテンシャルが花を咲かせ、香りが鼻腔をくすぐり、旨みが舌を包み込む。

また、正肉以外にも炉窯で焼いた黒タンのプルンプルンとした食感は規格外の旨さで、焼肉では決して体験することのできない域に達している。

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小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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