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肉バカが1年間焼きまくって選んだ☆☆焼肉店13選【焼ニシュラン2018】その3

【厳しい修行が培った高く確かなクオリティで勝負する】☆☆[炭火焼肉ふちおか]

2017年に炭火焼肉なかはらから独立した「炭火焼肉ふちおか」

オープン間もないながら、細部にわたるクオリティが素晴らしく高い。
厳しい職人の元で3年間みっちりと修行を積んだ強みがいたるところに出ている。

なかはら仕込みのこだわりは細部にまで行き届き、仕入れる牛肉、部位ごとに変化するカットもすでに東京焼肉界の上位に位置する。

次は”守破離”の精神が試されるだろう。
これからどこまで突き抜けてしまうのか。
通いながら、側でじっくりと見続けたい。

【最高の素材を際立たせる技術が生み出す最高峰の焼肉】☆☆[代官山焼肉かねこ]

「代官山焼肉かねこ」の店主・金子さんはくにもとの本店で5年、新館で3年修行を積んだ本物の職人。

代官山の路地裏にテーブルたった4つの小さなお店をオープンしたのが2015年。
一緒にくにもとで働いていた奥さんと二人三脚でお店を切り盛りしている。

タレはくにもとと同レベルの最高の味だが、金子さんがくにもと時代はタレを仕込んでいたことを考えればそれは当然。
扱う牛肉は田村牛をはじめとした長期肥育の雌牛を中心に但馬血統の個体も入る。
木箱に盛られた牛肉がテーブルに運ばれると、思わず感嘆の声が漏れる。
この木箱に金子さんの焼肉に対する想いが詰め込まれているのだ。

最高の素材を更に際立たせる技術によって、最高峰の焼肉が作り上げられている。

【名店の味を引き継ぎ、進化させていく稀有な才能】☆☆[コソット 弦巻店/sp]

用賀のら・ぼうふや「コソット」を立ち上げた、肉好きには伝説的な職人である込山さん。

2016年に込山さんがコソットを離れてしまってから、麻布十番のSPは伊藤さん、弦巻店は茅森さんが仕切ってきた。
どちらも込山イズムを引き継いだ素晴らしい店主である。

それぞれが違った個性を発揮しながらコソットを込山さん時代よりも進化させようとしている。
コソットにはどちらもカウンターがあり、伊藤さんや茅森さんの目の前のカウンターはさながらライブの最前列のようで、手際よく牛肉を調理する姿に最高潮の興奮と感動に包み込まれる。

もちろん扱う素材も凄い。
芝浦で最も上物を扱う仲卸・吉澤畜産から1頭丸々仕入れるのは、熟練の目利きが競り落とした極上の雌牛。
研究熱心な両氏は、メジャーな部位であるサーロインやヒレはもちろん、焼肉屋ではまずお目にかかれない外モモやスネといった部位まで驚くほど食べやすく、そして最高に美味しく仕上げてくれる。

素材の味をシンプルに味わうものもあれば、塩麹に漬けたり、細かな隠し包丁を駆使することで一般的には硬くてミンチにするような部位も驚くほどの深い味わいに昇華する。

それぞれの店舗ごとにアレンジが違うのもまた面白い。
だからこそ両方の店舗に通い続けたくなるのだ。

【洋食のテイストを盛り込んだ新感覚の焼肉】☆☆[和牛焼肉KIM 茅場町]

「和牛焼肉KIM」には何度か通うとオーダーできるお任せコースがある。

もちろんアラカルトや普通のコースも旨いのだが、このお任せコースにこそKIMの真骨頂が発揮されている。
洋食の経験が深い料理長・吉田さんが時間を惜しまず仕込んでくるメニューは多彩で、ハンバーガーであればバンズまで手作りだし、フォアグラが中に入ったハンバーグやじっくりと煮込まれたビーフシチュー、饂飩は手打ち、さらに刀削麺まで手作り。

お客さんに喜んでもらいたいという吉田さんの気持ちのこもったお任せコースを食べたことがない人は、ぜひオーダーできるようになるまで通ってみてほしい。
詳しくはこちらを。

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新刊紹介

小池克臣

こいけ・かつおみ●1976年、神奈川県横浜の魚屋の長男として生まれたが、家業を継がずに肉を焼く日々。焼肉を中心にステーキやすき焼きといった牛肉料理全般を愛し、さらには和牛そのものの生産過程、加工、熟成まで踏み込んだ研究を続ける肉の求道者。著書に『No Meat,No Life.を実践する男が語る和牛の至福 肉バカ。』がある。
公式ブログ「No Meat, No Life.」→ http://d.hatena.ne.jp/BMS12/

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