2026.5.2
比嘉啓登 「地盤・看板・鞄」全部ゼロ!からの那覇市市議会議員選挙へ【実録・メンズノンノモデル 第6回 後編】
記事が続きます
「所得格差」や「子どもの貧困」のない社会をめざして
昨年の選挙で再選し、現在は那覇市議会議員の二期目を務めている比嘉啓登。主に取り組んでいる政策は、那覇市内における様々な施設の「インフラ整備」。そう、彼が三井物産時代に商社マンとして培い、松下政経塾でアップデートさせてきた知見やスキルがしっかりと地域社会のために活かされている。まさに有言実行というわけだ。
比嘉 最近特に成果が上がってきたのは、公園の多目的化です。「Park-PFI(公募設置管理制度)」を利用し、新都心公園などの大きな公園にスターバックスさんやコナズ珈琲さんなどの民間企業を誘致して事業を行い、その収益を大型の遊具やスケートパークの設置などさまざまな開発費用に充てていく仕組み作りに従事しています。さらに大規模な都市計画としては、民間が主導し、那覇市、浦添市、宜野湾市が一緒になって立ち上げた「Gateway2050」(以下、GW2050)があります。GW2050は、沖縄西海岸の基地跡地を利用し、県民の平均所得を上げるための産業作り、空港や港湾の機能強化などを図り、世界中の物流、金融、情報、人をもっともっと沖縄に呼び込むための新たな持続可能プロジェクト。それを推進するための施設や拠点の整備に力を入れています。こちらはスパンの長いプロジェクトですので、自分としてはライフワークのひとつと捉えて、先を見据えて取り組んできたいと思っています。

今年で39歳と、まだ若い。むしろこれからどんどん政治家として脂がのってくるのだろう。まもなく迎える40代を、彼自身も人生における重要なタームだと認識している。
比嘉 沖縄には、所得格差や子供の貧困といった、解決しなければならない深刻な問題がまだまだ山積みです。40代はそこによりフォーカスしていきたい。こうして市議会議員をやっていると、「いずれは首長や国政へ」と野心が沸いた時期も正直ありました。しかし今、市議として、日々ひとつひとつの仕事をこなす中で、「どうやったら子供の貧困を解決できるか」とか、「どういう仕組みを作れば県民の所得が向上するか」というところに気持ちを置いていたほうが、自分の初心に素直に従えることに気づいたんです。自分がこの先どんな立場になるかにはこだわらず、たとえ政治、行政を離れたとしても、40代のうちに、自分が何とかしたいと考えている問題を解決できるように頑張っていきたい。僕にも4歳と2歳の子供がいます。彼らやまだ見ぬ次世代が大人になる頃には、沖縄全体が、もっと豊かで、平和でそして何より今以上に幸せがあふれる場所になるように。

政治に携わる人間として、その心構えにも議員になった当初から少し変化があったそう。
比嘉 自分のことは自分の軸で評価して納得する。もちろん、周りから応援してもらって、市民から信任を得てはじめて成り立つ職業なので、どうしても人からの評価を求めるようになってしまうのですが、それに終始しているとどこかで立ち行かなくなる。沖縄のために、那覇市のために必要だと思ったことは外からの意見に流されず、これだと思ったことはその方向に進んでいくほうが自分としても納得ができますし、結果としてうまくいくことが多いと思っています。だから「これでやりましょう」と言ったらそれでいく。 もしそれが間違いだったら、速やかに軌道修正して、皆さんのところを訪ねてきちんと説明する。「こう言っていましたけれど、それでは成り立たないので今回はこうしますので勘弁してくださいね」といったふうに。期待をしてもらいそれに応える。もし期待に添えない結果になった時にも、一人ひとりの市民に誠実に対応していく。それを地道にやっていきたいと思います。
メンズノンノ、三井物産、松下政経塾、そして那覇市市議会。こうして彼のキャリアを辿ってみると、筆者がおよそ20年前に編集スタッフとして接していたひとりの若者の、その後のバイタリティに満ちた人生の歩み方に恐れ入る。いや、当時は気づけなかったけれど、きっと比嘉啓登という人間の中では、今に繋がる“芯”が、モデルだった頃から育まれていたのだろう。
比嘉 これは沖縄県民あるあるかもしれないのですが、地元を飛び出してメンズノンノモデルをやっていた頃から、いつかは地元・沖縄に戻って役に立つ仕事がしたいという気持ちが漠然と頭の片隅にあったのかもしれません。実際にこうして沖縄に戻って市議会議員として働いていると、いろいろ難題にぶち当たることも多いですが、“地元が好きだ”という気持ちは変わらないですね。それから、これまでを振り返ってみると、「何を目的にして、どのように人生を進めていくのか」を自問自答し続けているような気がします。これからの自分の生き方として、地域の繁栄・平和、そして私たちの子やまだ見ぬ次世代の更なる幸せを追求していくことを人生の目的として、これからも自分なりに道をひらいていきたいと思います。
それにしても……僕がメンズノンノモデルになったのが20年前ですか。もっと最近のことのように思えるのですが……。自分なりにがむしゃらに生きてきたらいつの間にかこんなに月日が経ってしまっていて、ちょっとドキドキしています(笑)。
PROFILE
1987年生まれ、沖縄県出身。芝浦工業大学工学部建築工学科在籍中、2006年に第21回メンズノンノモデルに選出。2010年途中まで在籍し、その後、首都大学東京(現・東京都立大学)大学院を卒業して2011年に三井物産株式会社に入社。主にアジア担当として、インドネシアなどでの大型プロジェクトに携わる。2016年に三井物産を退社し、公益財団法人松下政経塾に入塾。卒塾後、2018年から2019年にかけて観光施設「ネオパークオキナワ」の経営企画部長を務めた後、三井物産への再就職を経て、2021年8月に那覇市市議会議員に選出。現在2期目を務めている。
記事が続きます
次回、連載第7回は6/5(金)公開予定です
![[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント](https://yomitai.jp/wp-content/themes/yomitai/common/images/content-social-title.png?v2)
















