2020.8.3
1枚のお皿からトレンドの波を見る〜疑うことで磨かれるビジネス感覚
さまざまな食材や料理を引き立ててくれそうなこのプレートに、実はビジネスの「波」を読み取るヒントが隠されているのです。
生活雑貨はどこかクラフト感があるものが好きです。
画像はイイホシユミコさんのお皿。
ムラ感がある風合いがどこか懐かしく感じられるもの。
和食をのせても洋食をのせても、はたまたお菓子をのせても映えるのはこの風合いならでは。
こちらは某大量量販店で購入した白皿。1枚数百円でした。
もちろんこれも日常的に大活躍しているのですが、料理をのせてもあまり美味しそうに見えない。
均一すぎる表情がどこか無機質に感じ、ご飯の魅力を損なわせているような気も……。
価値やトレンドには必ず波があるもの
価値というのはいつも相対的です。
ダイヤモンドが希少鉱石でなければ、皆こんなにもダイヤモンドを求めなかったでしょう。珍しいから貴重だから価値を持つものです(もちろんそれだけで説明はできませんが)。
もし江戸時代にタイムスリップできたら。
そしてその時にナイロン製品やカップラーメンを持って行ったら……時の将軍に褒められ珍重され高級品となるでしょう。
しかし現代においては、その頃は当たり前だったハンドメイド品などの方がむしろ評価されていたりします。
価値やトレンドというものには波が必ずあります。
少なくなれば価値を持ち、多くなれば価値を失うもの。
50年代の洋服を今見ると信じられないくらいの手間をかけた職人技の集合体だったりしますが、現代は洋服作りの過程が最適化されていて迅速に正確に作れる替わりに、細やかな職人技術が失われていってるわけですね。
ファッションやビジネスはいわば世の中の波を見る仕事です。
世の中の波がいまどちらに傾いているのか、どこの価値が高まっていてどこの価値が失われつつあるのか。それをわかりやすく噛み砕いて多くに人に提供することがファッションでもビジネスでも求められることでしょう。
お皿一つとってもそうです。
昔ならクラフト感のあるお皿よりも、均一で扱いやすい量産したお皿の方が価値があったかもしれません。
しかし今はムラのあるものの方が、くすみのあるものの方が味わいを感じより高価に見える。
私はこの波を強く意識しています。
お皿のみならず、洋服も、ビジネスも。