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不良夫婦
あなたは「結婚」という制度に、疑問を感じたことはないだろうか。

連日メディアを騒がせる不倫ゴシップなど氷山の一角。女性の社会進出、SNSや出会い系アプリの普及……出会いの機会が爆発的に増える一方、多くの夫婦が良好な関係の維持に苦戦しているのもまた事実。セックスレス、不妊、モラハラ、DV......問題は山積みで、それが令和時代の夫婦を取り巻く現実だ。

これは120年以上も変わらない今の結婚制度に限界を感じ始めたと夫と妻が、それぞれの視点で語るストーリー。

仮面夫婦状態の櫻井夫婦。夫・康介は弁護士事務所からの独立を考え、話し合おうと早く帰宅したが家は真っ暗……夜遊び帰りの妻・麻美と口論になってしまう――

前話はこちら。連載一覧はこちら

(隔週土曜で更新予定です)

「20万なら安いもの」妻に突然ジュエリーを贈った夫…その裏に隠された本音とは(第6話 夫:康介)

「なぜそこまで知っている?」妻の好みを把握している女

「そういう時はプレゼントを贈るのがオススメです」

恥ずかしながら妻との仲が険悪だ――愚痴をこぼした康介に、こんなアドバイスをくれたのは小坂瑠璃子だった。

5年ぶりに再会し、二人でランチをした日から、彼女はちょくちょく私的な連絡をよこす。つい先ほども「近くにいるので」と、まるで親しい友達か彼女であるかのごとくランチに誘ってきた。

会う必要はないし、適当に理由をつけて断ってもよかった。クライアントとあまり近しくなるというのもよろしくない。

ところが康介はどうしても瑠璃子を邪険にできず、結局また前回と同じ事務所近くのイタリアンで彼女と向き合っているのだった。

瑠璃子にはいつも調子を狂わされる。相変わらず彼女のペースに巻き込まれた康介は、まったくその必要もないのに、妻との喧嘩の一部始終をつぶさに吐き出していた。

「プレゼントは効きますよ。ジュエリーでも贈って機嫌をとれば、ホームパーティーくらい来てくれますって」

瑠璃子は独身のはずだが、わかったような口ぶりで康介を諭す。そして「あった」と声を上げると自信満々にスマホ画面を康介に見せてきた。

「このブレスとか。奥さま、ヴァンクリ好きですよね」

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安本由佳

やすもと・ゆか●81年 奈良県生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業後、化粧品会社広報、損害保険会社IT部門勤務を経てフリーランスへ。
2016年〜2020年1月 東京カレンダーWEBにて『二子玉川の妻たちは』『私、港区女子になれない』など多数の連載を執筆したのち、2020年10月講談社文庫より初書籍『不機嫌な婚活』を出版。よみタイで好評連載中の漫画『恋と友情のあいだで』(廉Ver.)の共著原作者。『不良夫婦』では(夫side)を執筆。

オフィシャルサイト●安本由佳
Instagram●yuka_yasumoto
Twitter●安本由佳|WEB作家@軽井沢

山本理沙

やまもと・りさ●84年 東京都生まれ。日本女子大学文学部卒卒業後、外資系航空会社客室乗務員、金融機関・コンサルティングファームの秘書業務を経てフリーランスへ。
2015年〜2019年に東京カレンダーWEBにて『東京婚活事情』『結婚願望のない男』『東京ホテル・ストーリー』など多数執筆したのち、2020年10月講談社文庫より初書籍『不機嫌な婚活』を出版。よみタイで好評連載中の漫画『恋と友情のあいだで』(里奈Ver.)共著原作者。『不良夫婦』では(妻side)を執筆。

Instagram●Lisa_fluffy
Twitter●山本理沙/WEB作家




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