2026.10.11
ヒグマが出没したら、通行止め! 沢の中を歩いて向かう 秘境中の秘境「カムイワッカ湯の滝」【山の名&珍プレイス 第11回 後編】
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滝つぼの雰囲気は変わってしまっても、お湯は以前と同じピリっと酸っぱい強酸性
ところで、カムイワッカ湯の滝は20年前まで、誰もが自由に立ち入れる場所だった。だが、落石が多発して危険なために、2006年に立ち入りを制限。先に述べたように2023年に解除されるまでは入れるのは「2の滝」までとなっていた。しかし、「2の滝」まででは他の地域の沢と風景はさほど変わらず、湯温も30℃くらいしかない。実際のところ、「温泉が流れる沢」としてのカムイワッカの魅力は半減していた。

だが、最低限の整備を行ない、入口に簡易的な管理所を設け、オンラインから事前予約を行なう形を整え、再び「4の滝」までの立ち入りが実現したわけである。これにより、もはや伝説と化していたカムイワッカ湯の滝が、改めて楽しめるようになったのであった。



以前の「4の滝」の滝つぼは見事な円形状で、湯温もちょうどよく、あまりにもよくできている天然の「滝つぼの温泉」だった。残念なことに大小の落石によって滝つぼの中がかなり狭くなり、危険な状態にもなってしまった。これを書いている僕が初めてカムイワッカ湯の滝を訪れたのは2002年だったが、正直なところ、「4の滝」の風景は昔のほうがよかったと思う。自然の力による変化はどうしようもないが、いつの日か大増水で滝つぼ内の岩が再び流れ出てしまえば、またきれいな形状が復活するかもしれない。


カムイワッカの源泉はPH1.6の強酸性である。そのために水が流れている沢の中には苔が生えず、ぬめりもない。しかし、水が流れていない場所は非常に滑りやすく、気を抜いていると転倒しがちだ。受け付けでは滑りにくいウォーターシューズと頭部を守るヘルメットを貸し出しており、出発前に必ず身に着けなければならない。
水着は不要。山歩き用のウェアで温泉を浴びてしまおう!
前編で紹介した「川原毛大湯滝」と異なるのは、カムイワッカ湯の滝では水着を着用するわけではないことだ。ここはあまりにもワイルドすぎて、わざわざ着替えるような気持ちの余裕もない。だから、大半の人はそのままの姿で川の中に入っている。



「カムイワッカ湯ノ滝のぼり」には人数制限があり、予約できるのは1時間につき30名、1日当たり210名まで。2026年の場合、期間は7月1日から9月30日だった。料金は2900円である。また、8月のお盆の期間前後はマイカー規制もあり、入口までシャトルバスを利用する必要も出てくる。そんなこともあり、カムイワッカ湯の滝は早めに十分な計画を立てないと体験できない。ヒグマの生息密度が世界有数の場所でもあり、ヒグマが出没して立ち退かない場合も立ち入りが制限され、悪天候時も閉鎖される。思い立ってすぐに行ける場所ではなく、当日の状況にも大きく左右されるのが難点だが、それでも行ってみるだけの価値はあるはずだ。

ちなみに、カムイワッカ川の海岸間近には「カムイワッカの滝」も存在する。名称が「カムイワッカ湯の滝」と紛らわしいが、こちらも見ごたえは十分。ウトロ発の遊覧船に乗って見物に行けるので、カムイワッカ湯の滝と併せて楽しむとよいだろう。

次回、連載第12回は11/1(日)9:00公開予定です
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