よみタイ

畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

保守王国で半世紀ぶりの分裂選挙! 10月25日投開票の富山県知事選に行ってきた

それぞれ趣が異なる選挙事務所を訪問するのも楽しい。こちらは新田候補の事務所。(撮影/畠山理仁)
それぞれ趣が異なる選挙事務所を訪問するのも楽しい。こちらは新田候補の事務所。(撮影/畠山理仁)
こちらは、かわぶち候補の事務所内。(撮影/畠山理仁)
こちらは、かわぶち候補の事務所内。(撮影/畠山理仁)
そして現職の石井候補の事務所。コロナ禍の選挙はいまも続いている。(撮影/畠山理仁)
そして現職の石井候補の事務所。コロナ禍の選挙はいまも続いている。(撮影/畠山理仁)

告示前に設置されたのぼりは、撤去までは求められない

 街中を車で走ると、各所でのぼり旗を見つけた。候補予定者と現職議員や市長の顔が大きく載った「演説会告知」ののぼりだ。
 新田氏が社長を務めていた日本海ガスの敷地にも多くののぼりが立つ。告示後は新たに設置することはできないが、告示前に設置された場合、撤去までは求められない。公職選挙法の隙間をついた作戦だ。石井陣営も同じようなのぼりを各地に立てていた。

 石井事務所を訪ねると、藤井眞次事務局長が政策ビラや政策パンフレットを手に説明してくれる。事務所内には「SNS担当」の席もある。入口には「感染症対策」と大きく書かれており、検温と手指のアルコール消毒をしてから中に入る。46ページある政策集はウェブサイトから入手できると説明を受けた。
 テーブルの上は透明なアクリル板で仕切られており、感染症対策が取られる。
 石井陣営も新田陣営も、電話での投票依頼に力を入れていた。その数は数万単位。もちろん、各地で街頭演説や個人演説会も精力的に開く。新田候補の出馬表明は昨年12月だったが、今年初めからミニ集会を約250回、街頭活動を150回、県内を50回以上周回してきたと陣営関係者は語った。
 告示日には、新田候補、かわぶち候補が富山市内で3回個人演説会を開いた。石井候補は高岡市で5回個人演説会を開いた。各陣営が25日の投票日に向けて熱い戦いを繰り広げていた。

 唯一気になったのが、各地で取材をしていても、「アラフォー」と見られる人たちの姿があまり見られなかったことだ。
 知事選は4年に一度しかない。ぜひ、この機会に少しだけでも関わってみてほしい。事務所を見るだけでも意識が変わる。そして万が一、「この人たちには任せられない」と思ったら、「任せられる人」を自分たちで立てなければ、自分が望む政治はやってこない。選挙に勝てるのは「立候補した者」だけだからだ。
 知事の任期は4年間。これから4年間を誰に託すのかを、富山県の人たちはそれぞれが真剣に考えてほしい。選挙を手伝えば、政治に意見するパイプが生まれる。そうすれば、自分の意向が政治に反映される可能性も開かれる。
 もっとはっきり言えば、投票しない人の意向が政治に反映されることは、相当な幸運がないかぎりない。そう思ったほうが賢明だ。

 富山県知事選の投開票日は10月25日。できればまた富山に行きたいと思っている。

各候補の演説動画はこちらから!

1 2 3 4

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

週間ランキング 今読まれているホットな記事