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畠山理仁「アラフォーから楽しむ選挙漫遊記」

保守王国で半世紀ぶりの分裂選挙! 10月25日投開票の富山県知事選に行ってきた

富山出身ということもあり、衆議院議員(石川一区)の馳浩氏も応援に駆けつけた。(撮影/畠山理仁)
富山出身ということもあり、衆議院議員(石川一区)の馳浩氏も応援に駆けつけた。(撮影/畠山理仁)

まずは各陣営の事務所巡りをしてみよう

 これから選挙漫遊を楽しもうという人にオススメなのが、各陣営の事務所を訪問することだ。「ハードルが高い」と思う人は、外から事務所の外観を眺めて見るだけでもいい。各陣営ごとに雰囲気がわかる。少し慣れてくれば、「こんにちは〜」と受付に顔を出してみるのもいい。「資料をもらえますか」と聞けば、喜んで対応してくれるはずだ。
 筆者は各地で選挙事務所を訪ねてきたが、富山の人たちは優しかった。フリーランスの記者というとぞんざいに扱われることも少なくないが、富山で嫌な思いは一つもしていない。どの陣営の事務所もとても親切で、演説予定もしっかりと教えてくれる。
 事務所を訪ねた人は、「必勝」などと書かれた「為書ためがき」を見ると面白いと思う。誰がどの候補を応援しているのかが一瞬にしてわかるからだ。

 しかし、富山の場合はちょっと複雑だ。石井たかかず事務所には、野上浩太郎参議院議員(自民党)からの為書きがドーンと貼られていた。しかし、新田はちろう候補の出陣式は、野上浩太郎事務所前の駐車場で大々的に行なわれた。野上事務所と新田事務所はすぐ隣。しかも、どちらの事務所も広い。
 新田候補の出陣式では、馳浩衆議院議員、高橋はるみ参議院議員、森雅志富山市長らが登壇して挨拶した。森市長は映画『はりぼて』にも登場している。映画では「私の立場からは言えない」と塩対応が多いように見えたが、応援演説では饒舌だった。
「今回の選挙は面白いことに、3人の陣営のシンボルカラーが揃いました。誰かは赤です。そして誰かは黄色で、我々は青です。赤は止まれ。停滞のシンボルです。青は進め。前進、発展のシンボルです!」
 そして森市長は少しトーンを落としてこう続けた。
「黄色は『要注意』です」
 聴衆から笑いを取ることを忘れない。選挙中にはいろんな応援弁士が立つから、応援弁士の演説を見るだけでも面白い。

 そこからさらに興味を持った人は、富山県の人口構成を見てみるのも面白いだろう。
 富山県の選挙人名簿登録者数は10月7日現在、88万7261人。そのうち富山市だけで39%以上を占めている。続く高岡市が16%、射水市が8.5%。ここでどう支持を拡大するかが勝敗をわけるポイントになる。

映画『はりぼて』にも登場している森雅志富山市長。(撮影/畠山理仁)
映画『はりぼて』にも登場している森雅志富山市長。(撮影/畠山理仁)
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畠山理仁

はたけやま・みちよし●フリーランスライター。1973年生まれ。愛知県出身。早稲田大学第一文学部在学中の93年より、雑誌を中心に取材、執筆活動を開始。主に、選挙と政治家を取材。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』で、第15回開高健ノンフィクション賞を受賞(集英社より刊行)。その他、『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)などの著書がある。
公式ツイッターは@hatakezo

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