よみタイ

ダメ恋やめられる!? 〜発達障害女子の愛と性〜

聖飢魔IIの追っかけで借金まみれ……逃げるように結婚した私に起こった「異変」

二度目の離婚を経て再び小説家の道へ

「この駆け落ちしたバンドマンが二度目の結婚相手になりました。でも浮気性が酷くて……。クリスマス前とクリスマス当日の12月23日から25日まで仕事で帰れないと言われ、26日に家に帰ってきたので、せっかくだから遅めのクリスマスパーティーをしてピザを取ろうよと言っても彼は乗り気じゃないんです。ピザは彼の大好物なのに。なんでだろうと思ったら、23日、24日、25日の3日間、それぞれ別の女性とクリスマスを過ごして、もうピザもケーキも食べ飽きたというんです! 浮気を隠さないんですよね。でも私も途中からこの浮気癖が面白くなってネタにしてやろうという気になってきました。ご飯を作って待っていても帰ってこなかったら嫌なので、もう最初から『今日は帰らない』と言ってもらったり。もう、怒る気もありませんでした。
 彼には職場に愛人が二人おり、財布に指輪を二つ入れていて、朝番と夜番のとき、愛人が入れ替わるたびに指輪を付け替えるという器用なこともやっていました。愛人Aと愛人Bが揉めている最中の電話を本妻の私が取って、事を落ち着かせたこともあります(笑)」

 浮気性の夫との生活は波乱に満ちていたそうだが、なんとここでミサさんの発達障害特性が一旦落ち着く。前の夫は財産があったため働かなくてもよかったが、今回の結婚はお金がない相手とだ。ミサさんは朝から夫のお弁当を作り、ミサさん自身も昼はパートで働いた。以前は一日中夫と家で過ごしていたのが、規則正しい生活になったこととお金がないことで、物忘れや衝動買いが少なくなったというのだ。

 この浮気性の夫との結婚生活も5〜6年続いた。なぜこんなに浮気性の男性がいいのかと聞くと、ミサさんはくしゃっとした笑顔で「ギターを弾いている姿がカッコいいんですよ〜!」と答えた。演奏をしている姿がカッコよく見えるステージマジックはバンギャルの私もよくわかる。今私が交際しているバンドマンの彼も普段はただの中年男性だが、楽器を持った途端別人になってキラキラして見える。さらに、ミサさんのこの元夫は非常に甘え上手で、彼女のお母さんにさえ「○○ちゃん(母親の名前)またね」とおでこにキスをしながらさらりと言ってのけるのだという。そしてその言動に彼女の母親もメロメロになっていたそうだ。かなり変わった男性というか、ホストに近いような男性、いや、正確にはヒモ男の素質を持った男性のように思えた。

 二番目の夫との結婚生活に限界を感じ始めたミサさんは、今後の生活のことを真剣に考え、小説家として再デビューを果たそうと官能小説を書き上げて公募に応募する。そして見事、ある大きな新人賞を受賞し、華々しく再デビューを飾った。そこからバツ2になったミサさんは小説家としての第二の人生を歩み始める。

恋愛依存のミサさんに驚くべき変化をもたらしたものとは……?
後編は9月4日公開予定です。

1 2 3

[1日5分で、明日は変わる]よみタイ公式アカウント

  • よみタイ公式Twitterアカウント
  • よみタイ公式Facebookアカウント

よみタイ新着記事

新着をもっと見る

姫野桂

ひめの・けい
フリーライター。1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをし、編集業務を学ぶ。卒業後は一般企業に就職。25歳のときにライターに転身。現在は週刊誌やウェブなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好き過ぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。著書に『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』(イースト・プレス)、『発達障害グレーゾーン』(扶桑社新書)、『「発達障害かも?」という人のための「生きづらさ」解消ライフハック』(ディスカヴァー21)、『生きづらさにまみれて』(晶文社)がある。


Twitter @himeno_kei

週間ランキング 今読まれているホットな記事