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5年でWindowsがバージョンアップを何回していると思っているの?

38歳子持ち女性が、再就職探しでぶち当たった現実

私の知り合いの話をしよう。

彼女は独身時代、とある企業の社長の秘書として働いていた。結婚、そして妊娠をし、出産直前に退職した。
周囲からは退職せず、産休育休を取得して復帰すればいいじゃないなんて声もあがった。しかし彼女は、「子どもが大きくなったらまた働く」と、潔く辞めた。
当時、彼女は28歳だったと思う。
そして、子どもが10歳になった38歳の時に再就職しようと動き始めた。
さて、結果は。

昔のように大企業で秘書業務を募集しているところを探した。過去の経歴を評価してもらえると思ったのであろう。しかし、英語能力・パソコンスキルと、求められることが過去よりもレベルが上がっていたのだという。
そもそも過去できていたことですら、評価に値しないというではないか。
彼女は愕然とし再就職を諦めた。

そして、私たちが10年前と一番変わった点というのは、「母」という立場になったことだ。このもう一つ重大な事実を忘れてはいけない。
独身時代と違う最大の事実。それは、子どもがいるということである。

我々母親は独身の時と違い、確実に時間的制約がある。

しかし、久しぶりの社会復帰にもかかわらず、就職する際、自分の希望を優先しようとする。
・家から近い
・残業なし
・過去と同じように一線で働きたい
・以前の職場と同じくらいのネームバリューがある会社
・遅刻早退が柔軟である
・過去と同じ給与水準
・賞与もほしい

待て待て。
イケイケどんどんの若い男子であっても、こんな要望通るかわからんぞ。
という就職条件を、いつ熱を出すかわからない子どもを抱え、パソコンスキルも10年前で止まっている人間が言って通ると思うのか。
自分の仕事能力は変わってなくても、立場は変わっている。
すべて込みで、相手は自分を判断するのだ。

自分が会社の社長だったらどうする?
一人しか採用できない。
同じスペックの若い独身男性と子持ちの女性のどちらかを選ばなければならない。
あなたならどちらを採用しますか?

仕事の知識と経験は、経年劣化していく

これから日本に限らず、世界はデジタル化がどんどん進んでいく。
人間がやっていた仕事をロボットが取って代わるようになり、仕事がどんどん減っていくのだ。
日々、社会で格闘している企業戦士たち(古い)ですら、自分たちの将来を不安視している。

そんな状況の中、さしたる特技や能力もないのに職種を選び条件と落とすこともなく、
「子供が大きくなって時間ができたので、10年ぶりに働きたいでーす♡」
が通用するはずもない。

過去の自分にしがみつくな。知識も経験も確実に経年劣化する。
そして、思っている以上に環境は速いスピードで変化し、世の中は優しくもないし、余裕もないということを、肝に銘じておこう。

すでに仕事を辞めてしまっている方は、この事実を認識したうえで、就活をしなければならない。
まだ仕事を辞めていない方は、この事実を認識したうえで、仕事を続けるか否か、考えるべきではないか。

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田村麻美

たむら・まみ●1984年埼玉県生まれ。立教大学経済学部卒業後、同大学院で経済学研究科博士課程前期課程修了。2015年に東京都足立区にTRYビジネスソリューションズ株式会社を設立し、税理士として活躍中。夫と娘の3人家族。自身の顔写真をカバーにしたデビュー作『ブスのマーケティング戦略』(文響社) は、「ブスが幸せな結婚&ビジネスでの成功」を叶えるための戦略を論じた画期的なエッセイ。刊行直後から話題となりロングセラーとなっている。「ブス」という現実に向き合い、あきらめず、粘り強く努力を続けた経験から、「がんばるブスたちが輝く日本をつくりたい」という骨太のライフワークを実践中。
『ブスのマーケティング戦略』は、集英社文庫から好評発売中。

田村麻美HP
http://tamuramami.com/

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