よみタイ

罰を恐れずに言えば、神は「ゆるキャラ」、仏は「アイドル」なのだ

坊主なのに煩悩まみれ。
そんな俗世と浄土を行き来する、ユル〜い僧侶・稲田ズイキがお届けする仏教トーク。

前回は「宗派を中華料理のセットとしてたとえる」という内容でしたが、今回は「神と仏の違い」について。わかるようで説明しようとすると難しい、大前提でもある両者の違いについて語っていきます。

お前んち、神社なんだろ?

とよく言われる。『お、お前マジか!?』と絶望するのと同時に、『あ、そうか。自分の当たり前は他人にとっては取るに足らないものなのだ』と悟ることになる。

『僕は僧侶だから、うちはお寺なんだよ。仏がいるところだよ』

仕方なくそう言うと、70%くらいの確率でこう返事が来る。

えっ、仏って神的なやつ?

いや、まぁそうだと言えばそうなんだけど、でもなんかちょっと違う。

『カニってエビ的なやつ?』
『茨城って群馬的なやつ?』
『ホモサピエンスってゴリラ的なやつ?』

なんて言われたら、ちょっと違うって気持ちもわかってくれるんじゃないだろうか。
一言で言ったら「雑」というか。同じジャンルでも、そこを一緒にするのは違うじゃないですか。もしあなたがゴリラとしての自覚があるんだったら、神も仏も一緒でいいんだけどね。

というわけで、今回は仏教を解説するこの連載の大・大・大前提として、「神と仏の違い」について説明してみたいと思う。

神と仏の違いを説明してみる

…とは言ったものの、これは本当に難しい。いや、神と仏の違いって何よ、その一大スペクタクル!

と弱気になっていても仕方ない。僕は人間で、人間には人間の視座でしか物事を語ることはできないのだから。
なので、今回はあくまで人間の目線から簡略した形として、神と仏について語らせてもらうことにする。だから、ゴッド、ブッダ、頼むから絶対怒んないでね。

というわけで、ついに見つけた、わかりやすいたとえ。

神と仏は、ゆるキャラとアイドルなのだ!

※「神」というと、キリスト教でいう「神」とか、概念としての絶対的存在「神」を想起する人もいるかもしれないが、今回はあくまで寺と神社の比較という点から、神道でいう「神」について言及することにする

ゆるキャラ(神)にはなれないが、アイドル(仏)にはなれる

いかづちに気をつけながら、説明を続けますね。はい。まず大前提として、両者が「神道」と「仏教」という異なった物語に登場するものということを理解してください。

神は「神道」で神社。仏は「仏教」でお寺。この住み分けは、説明されれば誰でもわかるのではないだろうか。どちらも、一番有名な日本の宗教だ。

さらに共通点として、神仏は両者ともに「なんとなくめちゃくちゃ尊い」ってことは皆さんもご存知だろう。
でも、その「尊い」の解像度を上げていくと、神と仏ではリスペクトのされ方が違っていることがわかる。それをたとえるならば、神はゆるキャラで、仏はアイドルなのだ。

両者の違い、それは僕たち人間はアイドルにはなれるが、ゆるキャラにはなれないのだ。
誰だってなろうと思えば、アイドルにはなれる。たとえば、こんな僕だって、姉が勝手に応募してくれたらジャニーズ事務所に入れたかもしれないじゃないですか。あ、あくまで可能性がゼロではないっていう話だから(ちなみに姉すらいない)。

それに対して、どんなに努力したって、ゆるキャラにはなれない。どれだけ梨が好きでもふなっしーにはなれないし、どれだけ納豆が好きでもねば〜る君にはなれない。画素数というか素材というか、生きている次元が違う。

そんな「なれるか・なれないか」が、神と仏の大きな違いだ。つまり、仏にはなれるが、神にはなれない

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稲田ズイキ

いなだ・ずいき●僧侶。1992年京都の月仲山称名寺生まれで現・副住職。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。コラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。Twitter @andymizuki
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竹内佐千子

たけうち・さちこ●漫画家。おっかけ対象が男子で恋愛対象が女子のレズビアン。
自身の恋愛体験を描いたコミックエッセイをはじめ、おっかけ、腐女子、などをテーマにしたコミックエッセイを描き続け、最近はストーリー漫画も描いている。
赤ちゃん本部長』(講談社)、『これからは、イケメンのことだけ考えて生きていく。』(ぶんか社)など。
ホームページhttp://takeuchisachiko.jp/
Twitter @takeuchisachiko

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