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佐藤誠二朗「グリズリー世代のバック・トゥ・ザ・ストリート」
グリズリー……それは北アメリカ北部に生息する大きな灰色のヒグマの名であると同時に、白髪交じりの頭を形容するスラング。頭にちらほら白いものが目立ち始める40~50代を、アラフォー、アラフィフといってしまえば簡単だけど、いくつになってもオシャレと音楽が大好きで遊び心を忘れない彼らを「グリズリー世代」と名付けよう――
そんな思いを胸に、自身もグリズリー世代真っ只中の著者がおくる、大人の男のためのファッション&カルチャーコラム。

陸サーファーでさえないけど、なぜかグッときたT&Cの防水バッグ

いい歳をしたおじさんに多いが、したり顔で「○○○をやらないなんて、人生の半分損しているよ」と言う人がいる。
僕はあれ、あまり好きじゃない。
人生の半分の価値があるって? 君の人生そんなに単純? 人生はもっと多彩なものでは? と思う。
たとえば僕はほとんど酒を飲まないが、それはそれで楽しくやっているのでご心配なくという感じだ。

サーフィンも、「これぞ我が人生」とばかりに生活のほぼすべてをサーフ色で染める人が多い。
もちろん否定しないし、それどころか少しうらやましいなあ、かっこいいなあとは思うが、僕には僕の人生と暮らしがあるので、「波乗りしないなんて損している。可哀想」とは思わないでほしい。

サーフブランドならではの防水機能は梅雨時のゴルフにも最適!

先日とあるお店で見かけ、「これ、ちょうどいいじゃん」と思って買ったサコッシュは、T&C Surf Designsのものだった。
大きすぎず小さすぎずの適度なサイズで、止水ファスナー、無縫製・熱圧着仕様の割とちゃんとした防水バッグである。

T&C! タウン&カントリー! タウカン!
サーファーどころか、おかサーファーの要素さえ1ミリもない僕にとっても、なんとも懐かしい響きだ。
T&Cはハワイのブランドだが、1980年代頃、東京・自由が丘あたりを闊歩していた陸サーファーの象徴だった。
なんとなく、小麦色の肌にサラサラヘアーの、波の数だけ抱きしめたいミポリン的な、いにしえのサーファー姉ちゃんを彷彿とさせるT&C。
よく知らんけど。

本当にサーフカルチャーについては何も知らないが、T&Cってどうなんだろう? 今もいけてるブランドなのかな?
いや、微妙だろうな〜。
この防水サコッシュはもちろんライセンス商品だけど、なんの変哲もないホームセンターにて適当な感じで売られていたからな。
80年代から幾星霜いくせいそう、ブランドイメージはだいぶ消費されているのだろう。

僕はもともとサーフィンやT&Cに思い入れのかけらもないので、実用品として気負いなくこの防水サコッシュを買った。
去年はじめたゴルフ、コロナ禍の自粛生活ですっかりご無沙汰しているが、そろそろお呼びがかかる頃だろうと思っているからだ。
梅雨時に入るから防水性のあるカートバッグが欲しいと思っていて、ちょうどよかったのだ。

これを持ってゴルフ場にいたら、元・陸サーファー、現・ゴルファーのおあにいさん、おあねえさんから懐かしがってもらえるかもしれない。

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佐藤誠二朗

さとう・せいじろう●児童書出版社を経て宝島社へ入社。雑誌「宝島」「smart」の編集に携わる。2000~2009年は「smart」編集長。2010年に独立し、フリーの編集者、ライターとしてファッション、カルチャーから健康、家庭医学に至るまで幅広いジャンルで編集・執筆活動を行う。初の書き下ろし著書『ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新』はメンズストリートスタイルへのこだわりと愛が溢れる力作で、業界を問わず話題を呼び、ロングセラーに。他『糖質制限の真実』『ビジネス着こなしの教科書』『ベストドレッサー・スタイルブック』『STUSSY2017 FALL/HOLIDAY COLLECTION』『DROPtokyo 2007-2017』『ボンちゃんがいく☆』など、編集・著作物多数。

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