2019.8.8
美味を食べつくした大人が「いい店あるよ」と教えたくなる〜曙橋かず〜
メニューを見た瞬間、絶対に食べたいと思ったのが「燻製鮭のポテトサラダ(700円)」。
スモークサーモンはありがちだけど燻製鮭って書くくらいだから別物だろうなと思っていたら、本当に別格のポテトサラダでした。
一見、鮭フレークみたいなお姿ですが、この燻製鮭、香りと塩気がマヨネーズとマッチして、いい仕事しているのです。さらにおろし玉ねぎと粒マスタードベースのドレッシングがかかっていて、これが味をピシっと引き締めているのです。
やめられないとまらない〜、燻製鮭のポテトサラダ♪
ひと口いただき「おいしいです〜!!!」と叫んでしまった「太刀魚の塩焼き(1,500円)」。
身はこれ以上ないというくらいふっくら、皮目はしっとりしながらも香ばしい、そして絶妙な塩加減。すだちは無用でございます。
どうしたらこんな風に焼けるのか?
「うちは炭火が使えないので遠火でゆっくり焼いているんです。包丁で細かく切り込みを入れた皮目を外に向けて巻き込んで串を打ちます。そうすると中に巻き込まれた身は蒸し焼き状態になるのでジューシーに焼き上がります。皮は太刀魚から出た脂で揚げ焼きになるのでこんがりするんですよ」と、店主の松尾和也さん。
日本料理の技ですね。
これも絶対に食べたいと思った「真蛸のやわらか煮(800円)」。
大好きな煮蛸ですが、お鮨屋さん以外でなかなか理想の味と食感に出会えずにいました。これはやわらかさといい甘辛さといい、5本指に入るおいしさ。
秘訣は、
1) 活け蛸を使うこと
2) 糠でぬめりを取りきり、霜降りした蛸を冷凍すること
3) 醤油は蛸がやわらかく炊きあがった最後に入れること
理由は、ぜひお店で聞いてみてください。
松尾さんはできるだけシンプルに素材のよさを引き出すことを心がけているそうで、食材によってゆっくり時間をかけて炊いたり、食感のよさを活かす時は相性のいい食材でさっと和えたりと、産地や個体のよさを感じとって、いちばんおいしくしてあげたいとおっしゃいます。
太刀魚といい蛸といい、まさにそれを実感できます。