2019.7.25
池尻の“あるよ”な隠れ家BARのセブンルール 〜カビネ
3) 酒ありきで料理がある
桃は買ってから必ず熟成させる。
「何日熟成させるかは個体によりますが、状態が良くなったら冷蔵庫に入れます。このメニューは白ワインをぐびぐびっとやるために作りました。桃が甘いけど硬くなる前の2ヶ月限定、〝川中島白桃″が出回ったら終わりです」
料理は独学。中学生くらいから家で作っていた。
高校生の頃には白馬のリゾートホテルの厨房で鶏をさばいたりもした。
食べ歩くのが好きで、行った店の味を覚えて作ると、ほぼ再現できるが、それは“バーテンダー感覚”だと言う。
「カクテルはベースとなるレシピがありますが、バーテンダーは誰もがそれがおいしいと思っていないのでひと工夫して自分の味を作ります。料理も同じ。この酒を飲むとき何を食べたいかで料理を考えていますが、その料理が絶対においしくなければいけないと教わったのもアムリタでした。当時の料理長が『無留奴津倶(ブルドック)』って高倉健さんも通っていた鉄板焼き屋の料理長だった人で、ひとひねりある料理がめちゃくちゃおいしかったんです」
4) パスタは手打ちする
料理を出すからには、いわゆる“バーフード”はあり得なかった。
ゆえにパスタは手打ちすると決めた。
味もさることながら茹で上がりが早いからだ。
「生パスタと手打ちは絶対的に違う。今はタリオリーニ、タリアテッレ、トロフィエの3種です。湯気があがるアツアツで提供するのがこだわり。パスタ目当ての方がかなりいらっしゃいます」
大山鶏を3日間煮込む濃厚なラグーは有名イタリア料理店と比較しても引けをとらないクオリティ。
食べるつもりがなくてもメニューを見ると食べたくなってしまう逸品だ。
5) 炭酸は必ず新しいものを抜栓する
「カクテルがおいしいかどうかは単純なところで何の炭酸を選ぶかによっても違います。だから必ず新しい炭酸を抜栓すると決めています。例えばハイボールを作ると50mlくらい炭酸が余ります。普通ならキャップをして次のオーダーが入った時に使うのですが、僕の店ではそれを余らせておいて新しいのを開けます。深夜0時くらいになるとそれが20本くらい溜まるので、それで自分用のジンリッキーを作って飲むのが1日働いた褒美です(笑)」