2019.7.11
孤高の料理人による絶品すぎる中華に舌も心も踊りっぱなし〜サエキ飯店〜
で、特に危険なのが小鍋料理と海鮮料理。
「イソツブ貝の紹興酒煮」や「冬瓜と砂肝、キヌガサ茸の上湯スープ」や「太刀魚の揚げ焼きのネギ生姜醤油ソース」のスープ? タレ? がジャスミンライスに合うのですよ。この“タレごはん”、確実に2杯いっちゃいます。
「福臨門酒家」「聘珍楼」などで修業し、「香港で学びたい!」とワーキングホリデーで香港へ。
帰国後、神宮前の「楽記」で料理長を務めていた佐伯さんは「もう一度香港で勉強したいなと」再び渡港。しばらくしてアルゼンチン、メキシコやジョージアなど1年で33カ国巡り帰国。
その後の1年間は2019年度版「世界のベストレストラン50」で11位に輝いた外苑前「傳」で研修し、この店をオープンしました。
そうそう、福臨門、楽記の出身ですから、この連載30回目にご紹介した「South Lab 南方」のみなさまとも仲良しで、お互い開店祝いに訪れたそうです。
私はお酒は基本的にお料理の国のものを飲むようにしています。
日本料理なら日本酒、フランス料理ならワインって感じ。
やっぱり同じ国のものはしっくりくるんですよね。
だから中国料理には紹興酒を飲むのですが、ここではなぜかワインなのです(たまに紹興酒になりますが)。
いまはジョージアのワインだけなので知識がない私はいつも佐伯さんに選んでもらうのですが、これがまた本当にこちらの料理と合うんだな。
おまけにラベルも魅力的なのです。
「気になるものを1本頼んで飲んでみて、おいしければ店で出す。まずいもの? ありますよ、こりゃ無理だってなりますよ」と。
佐伯さん、おまかせします!
サエキ飯店は佐伯さんの生き方そのものなのだと思うのです。
料理にもワインにも空間にも佐伯さんが見たもの、味わったものがあふれています。
“世界のおいしいものを食べ尽くす”が人生のテーマなのでしょうか。今年も9月か10月に2週間だけお店をお休みして旅に出るみたいです。きっと何かおいしい記憶をお土産に帰ってきて、ここで披露してくれることでしょう。
佐伯さんって、自由人って感じがするけど仕事への情熱と姿勢はきっちり真面目。
料理はおまかせですが、ちゃんと来店時のメニューを書き残していて、前日の夜にそれを見ながら、予約と突き合わせて料理を決めるそうです。
1日3組、最大で10名。そのデータってすでにものすごい量のはず。大変じゃない?って訊くと全部が変わるわけじゃないので大丈夫だと。
じゃ、1ヶ月の中で2度3度来るとメニューが変わるの?って訊くとちょっと考えて、そんな頻繁に来ないでもらうって答えに笑ってしまいました。
予約困難なのはわかっていますが、2ヶ月空くと“佐伯料理ロス”に陥るので、そこんとこは、よろしくお願いしますよ!