2019.6.27
思慮深く謙虚なシェフが送り出す絢爛たる美味に首ったけ〜ボッテガ〜
料理人さんっていろいろなタイプがいますが、大きく分けると
「俺の料理はおいしいよ」と
「おいしいかどうかはお客さまが決めること」
の2種類なのかと思います。
で、今回ご紹介する「ボッテガ」の笹川尚平シェフは完全に後者。
実はこんな素晴らしい経歴の持ち主だとは、この原稿を書くのにググって初めて知るという……、我ながら恐ろしい。
イタリアと日本のミシュラン星付き店で修業し、自らシェフとなれば自身が星を獲ってしまうという凄腕。
独立すればオープン後わずか10ヶ月で星に輝き、業界では話題騒然だったのに、どういうわけか私はそれを知らず、信頼している某編集長のお言葉だけで初訪問。
しかも“おいしい勘”が働き、敏腕ライターさんを2人も同伴させてしまったという……そういう意味では先入観なしでシェフの味のファンになったので、私の舌もまんざらでもないってことか。
修業もしたけれど“どこそこの料理”という決まったものがなく、経験と感覚で笹川さんの料理は作られています。
「ボッテガ」はイタリア語で工房という意味。
ここで作られる料理はひとつひとつ丁寧に作られた味が積み重ねられているよう。それは笹川さんが毎日ひたすら努力して手にした宝物たちなのです。
その宝物のひとつが看板メニューである手打ちのパスタです。