2019.6.13
胃も心も鷲掴みにされるセンス抜群・革新的フレンチ〜クラフタル
ひと皿ごとにワクワクが止まらない!
本当にどストライクなのです、大土橋真也シェフの料理が!
あまりしたくないけどカテゴリー分けするなら、イノベーティブフレンチってことなのでしょうが、よくありがちな
「どれが食べられるものなの?」
「演出ばっかりで味がわからん」
「お腹いっぱいにならない」
などといったことはございません。
ご覧ください! この感動的な皿を!
鮎はエラの裏から胆嚢を取って活け締めにし、本来の苦味だけを残して高温でカリッと揚げています。フェンネルをスライスして水草に見立て、ペルノ風味のフェンネルのムースに鮎のリエット、そして真っ黒に焦がしてピューレにした茄子に卵と小麦粉を混ぜて焼いたパンとで石や岩を想像させる。
ぷるんとしたシャルトリューズのジュレはキラキラした水面、蓼はパウダーにして流れを描き、鮎が元気に清流を泳ぐ様子を表現しています。
目の前に置かれた料理は、まるで物語の1ページを描いたかのように世界観がクリエイトされ、歓喜の雄叫びがあがらなかったことはありません。
そして口にした途端、その情景が“味覚”となるのです。
あぁ、なんという食体験なのでしょうか。
こちらの“作品”はねっとりとしたアオリイカのうまみ、スダチでマリネした泉州水茄子は酸味、他にデラウェアの甘み、海ぶどうの磯の味、キャビアの塩味、そして最後に纏わせるのは生ハム、ホタテのヒモ、昆布などから取った淡い味わいの出汁、この2cm角のサイコロサイズからそれぞれの個性が際立っています。
でも何から食べようが、何と一緒に食べようが、あるのは“おいしいマリアージュ”。