よみタイ

料理も時間も自由に楽しむ大人たちが深夜まで集うビストロ〜ヨシダ ハウス〜

「国産牛トリッパのトマトグラタン(1,780円)」はトマトの酸味とトリッパの甘みがちょうど良いバランス
「国産牛トリッパのトマトグラタン(1,780円)」はトマトの酸味とトリッパの甘みがちょうど良いバランス
こちらは「国産牛フィレ肉と新じゃがと筍添え トリュフソース(2,980円)」です。野菜もお肉も盛りだくさん!
こちらは「国産牛フィレ肉と新じゃがと筍添え トリュフソース(2,980円)」です。野菜もお肉も盛りだくさん!

お料理はワイン1杯から浴びるほど飲んでも大丈夫なラインナップです。
例えば、おつまみが580円からでメインが1,780円から。ワインはボトルでお安いのが3,800円で1万円超えるものもあって平均6,000円くらい。
そりゃ、大人が集まるわけですよ。だって楽しいもの。

賄いカレーってどうしてこんなにおいしいのかしら? 特別に出してもらっちゃいました。
賄いカレーってどうしてこんなにおいしいのかしら? 特別に出してもらっちゃいました。

そう、ここは“おいしい”の先に“楽しい”があるのです。
ちょっと寄り道、ガッツリごはん、家に帰る前に一杯だけ……、どんなシーンであっても吉田さんの料理で気分がアガる。だから行きたくなる。

そんな話をすると「食事を楽しむがコンセプトなんです」と教えてくれました。
そっか、確かに誰もがこのお店で過ごす時間を楽しんでいる感じが見てとれる。騒がしいのとは違う、何というか和やかな活気なのです。入った時に「あ、ここ良いな」って思えるのは、この空気を感じるからなのでしょう。

デザートも侮れません。ラムレーズンとクランブルの「ヌガーグラッセ」はふわっとしたアイスのようでワインのアテにもいけちゃいます
デザートも侮れません。ラムレーズンとクランブルの「ヌガーグラッセ」はふわっとしたアイスのようでワインのアテにもいけちゃいます

吉田さんにとって料理ってどんな存在なのか訊いてみました。

「20歳の頃、手に職をつけたくて選んだのですが、この時は何料理をやりたいのかわかっていなかったですね。毎日辛いことばかりでいつも辞めたいと思っていましたよ。でも何か嬉しいことがあると、もう少し続けてみようと思い直す。この繰り返しでした。結局は自分の店を持つという夢があったから頑張ってこれたんです」と。

チームワークも抜群! それも居心地の良さに通ずるのです
チームワークも抜群! それも居心地の良さに通ずるのです

吉田さんが目指すのは、“フランス料理を食べて懐かしい気持ちになれる”こと。
フランス料理の良さをもっと伝えていきたいそうです。化学調味料は一切無し、コンソメもブイヨンもすべて手作り。だからってわけじゃないかもしれないけど、肉じゃがのようにほっこりするものがあるんです。

吉田さんの心に残る逸品は「北島亭」で食べたアスパラガスですって。あ〜、なんか目指しているものがわかる。
オーソドックスだけど、北島亭さんにしか出せない変わらない味があるという点が吉田さんの料理と似ています。

「おいしいと言われることが大切ですが、まずいと言われても僕は100%の力を出しているので、その方の好みと思って諦めます」というのも味がブレないって証拠。
良いと思います。
だって、私たちは吉田さんの作る料理が好きで通うのですから。

吉田さんの目指すスタイルがイメージできるお店のサイン
吉田さんの目指すスタイルがイメージできるお店のサイン

私がこのお店を好きな理由、わかっていただけました?
料理がおいしいだけじゃなくて、この店に居ることが楽しいなって思えるのです。

吉田さんの料理を食べたお客さまから発する良い“気”が、吉田さんやスタッフさんたちに伝わり、またさらに良い“気”が出て、雰囲気が明るくなる。
それでいて各々が自分の時間を自由に楽しんでいる。

そんな大人たちで夜毎賑わっているのです。

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高橋綾子

たかはし・あやこ●フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレス時代から培った〝食″へのこだわりは、舌の肥えた業界人も頼りにするレベルの高さ。年間1000を超えるという外食の日々が築き上げたおいしいもの好きが嵩じて、ついに2018年2月に東京・下北沢にてレストラン「üchï(うち)」をオープン。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。
Facebook→https://www.facebook.com/ayako.takahashi.1671

uchi→http://uchi.tokyo/

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