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火星人は本当にいるかも!? 生命の痕跡が見つかるかもしれない火星探査に注目が集まっている!

1日10分、毎日更新されるポッドキャスト「宇宙ばなし」が人気を呼び、注目を集める佐々木亮さん。

この連載では、独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わった経験と、天文学分野で博士号を取得した知見を活かし、最新の宇宙トピックを「酒のつまみの話」になるくらい親しみやすく解説します。そして、宇宙と同じくらいお酒も愛する佐々木さんが、記事にあわせておすすめの一杯もピックアップ。

探査のテクノロジーが進んだ今、火星に生命体が存在しているかも、という可能性が高まっている!?  さまざまなSFで取り上げられてきた"火星人”の存在が、現実世界で証明される日が来るかもしれません

第21回「火星の生命」のはなし

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宇宙に興味を持つ理由やきっかけは人ぞれぞれだと思います。一方でこの連載でも触れたように、絶対に誰しもが抱いたことがある疑問は「宇宙人はいるのか?」ではないでしょうか。

私も例に漏れず、この興味は常に持っています。小さい頃は漠然と、宇宙人っていたらどんな感じなんだろうと想像して、タコみたいな形や、グレイみたいな生物を妄想しては、ワクワクしていた気がします。

実際に少し前までは、地球以外に生命がいる世界は、まるで空想のように語られてきました。しかし最近は、地球外生命体に関する研究が多く出てきます。その中でもやっぱり、お隣の「火星」の生命についての研究は、身近だからこそ興味深いものが多い気がします。

そこで今回は、火星における生命探査に関する研究を紹介していきます。

火星 画像提供/NASA
火星 画像提供/NASA

最近は特に火星の生命についての研究が多くなっています。
ちょっと夢がなくなってしまうかもしれませんが、これは生きている火星人を探すような研究ではなく、かつての火星に生命がいたのではないか、という仮説を検証するものなので、注意してくださいね。

そもそもなぜそのような研究が行われているのでしょうか。
火星はカラカラに乾燥していてで、空気も薄く、生命がいるのかを研究する意味をあまり感じられないかもしれません。
けれど実は、昔の火星は地球のように水があって潤いのある惑星だったと言われています。このような地球に類似した環境があったことを理由の一つに、生命も存在したのではないかと注目されているわけです。

そんな中で、火星の生命探査に大きな成果を残したNASAのミッションがありました。
2021年2月に火星のジェゼロクレーターという場所に着陸し、探査をスタートさせたパーサビアランスです。パーサビアランスは火星表面を走ることができるローバーで、このジェゼロクレーターを探査するために火星に送られました。

探査機、パーサビアランスの火星でのイメージ図 画像提供/NASA
探査機、パーサビアランスの火星でのイメージ図 画像提供/NASA

ジェゼロクレーターは、かつて火星に水があった頃、湖だったと考えられています。そのため、そこにある物質を調査することで、当時の情報を得られることが期待されていました。

この結果、なんと、火星の土壌中に生命の基本的な要素の一つである有機物が発見されました。かつて湖だった場所にこのような貴重な情報が眠っていたという論文を読んだときは、小さい頃、火星人を想像していた気持ちが思い出されました。

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佐々木亮

ささき・りょう
理学博士。独立行政法人理化学研究所、NASAの研究員として研究に携わり、その経験と知見を生かし、ポッドキャスト「佐々木亮の宇宙ばなし」を毎日配信している。旬の宇宙トピックスを親しみやすく解説する内容で注目を集め、Apple Podcast日本ランキング3位を達成。第3回Japan Podcast Awardsも受賞する。現在はデータサイエンティスト、中央大学講師として活動している。
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