2021.5.16
[編集部]編集部ブログ
クラスメイトたちの記憶からパワーをもらえる。すべての大人に読んてほしい、爪切男 『クラスメイトの女子、全員好きでした』
爪切男さんの新刊『クラスメイトの女子、全員好きでした』が好評発売中です。爪さんの少年時代のエピソードを綴る全20篇のスクールエッセイ集。『もはや僕は人間じゃない』、『働きアリに花束を』に続き、3か月連続刊行のラストを飾る新刊です。
こちらの本の制作秘話や読みどころを、担当編集がお話しします!
著者・爪切男さんのここがスゴい!
とにかく、3か月連続刊行を粘り強くやりとげてくださったことは「スゴい!」のひとこと。
私たち3名の編集は、当然1冊ずつ、いつもの単行本と同じ進め方をするわけです。それぞれの本は連載をまとめたとはいえ、書き下ろしや加筆修正を加えた入稿から校了、メディア取材にいたる流れの中で、他の本と同時進行になることがあったはず。爪さんは、そのつらさを表に出すことなく頑張ってくださりました。
編集者でも、月2冊とか、毎月1冊を3か月担当するとなるとどこかで進行がかぶり、頭が切り替わらず本当に大変です。
著者の大変さは当然それ以上。取材でも「おしっこを3回漏らした」とも言っていました。そのくらいの想いを込めてのぞんだ爪さんのことを本当に尊敬します。
4冊まとめて読むと爪さんの人生史が見えてくる
本書は、「よみタイ」で連載していたエッセイを単行本化したものです。
書籍化では、各エピソードを爪少年の学年順・時系列に再編集したので、一話完結ではありますが、通して読むと爪さん自身の成長も感じられるつくりになっています。
デビュー作では高校1年時の同級生にひどい言葉を言われビンタされる印象的なエピソードがありましたが、この本のほとんどはその前までの話なので、『死にたい夜にかぎって』の前日譚ともいえます。
3か月連続刊行の1冊目となった『もはや僕は人間じゃない』は、『死にたい夜にかぎって』の後の再生の物語。2冊目の『働きアリに花束を』は『死にたい夜にかぎって』と時期がかぶる話もありますが内容は別で、父親との物語がメインテーマ。
ということで、この4冊をならべると爪切男の歴史書になるともいえます。すべて読むとより深く“爪切男の世界”を楽しんでいただけるので本当にオススメです。
そうそう。初版分の3冊購入者特典として、3作のアナザーストーリーを中心としたZINE(小冊子)を応募者全員にプレゼントする企画もあるんです。爪さんと担当編集の全4名でいま作り始めていますが、めちゃくちゃ価値のある応募者特典になりそうです。こちらもお楽しみに!
クラスメイトを思い出してパワーがもらえる本
読者を限定するわけではないですが、読んでほしいのは、まずはとにかくすべての大人の方。
やっぱり、日々いろいろとイヤなことあっても、少年少女時代にクラスメイトだった気になる人のことを思い出してみると、なにかしらのパワーをもらえますから。
過去があって今がある。この本を読むと、今の自分を作ってきた要素として、いろんなクラスメイトの存在があったことを絶対に思い出すはずです。そして、子ども時代にはわからなかったクラスメイトのことも、大人になった今だからわかることもあり、せつなくなることも。
北村人さんのイラストによるカバーデザインは、そんな思いを込めて「卒業アルバム」をイメージしています。
大変ありがたいことに、全国の書店員さんからも熱量のあるたくさんの“推しコメント”をいただいています。私が語るよりこの言葉がすごく響くと思います。特集記事として、一部をまとめてご紹介していますのでこちらもぜひお読みください!
(担当編集/宮崎)
笑って泣ける! 20篇のセンチメンタル・スクールエッセイ
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