2020.3.21
大河ドラマがもっと楽しく⁉ 4人の“じゃない方”武将の生涯をダイジェストで紹介〜「戦国サバイバー」まとめ
六角承禎―負けても勝った、名門大名
3人目は近江の名門・六角氏15代当主の六角承禎
敵味方の入れ替わりがめまぐるしい戦乱の世において、一貫して織田信長の上洛に立ちはだかり続けた人物です。
武芸の腕前は相当なもので、特に馬術は後に自ら佐々木流という流派を起こすほどの達人でした。
承禎は三好三人衆らと連携し抵抗を続けたものの、天正2年、最後の拠点・甲賀石部城が織田家の大軍に包囲され、敗北します。
しかし、ここで潔く散る……とはならなかったのがこの人のスゴいところ。
石部城陥落から10年近い歳月が流れ、承禎の姿は、時の天下人・豊臣秀吉の傍らにありました。
一体どのような経緯を経たのか、その詳細は不明ですが、承禎はいつからか秀吉に御伽衆(主の側近くに侍り、雑談や学問の講釈をする役目)として仕え、78歳まで生き延びたのです。
当時、信長に正面から敵対し続けてここまで長生きしたのは異例中の異例。
ちなみに承禎の子供たちも長生きでした。
戦国大名としての六角家は戦に敗れ消滅しましたが、承禎の驚異的なしぶとさと処世術によって家名は存続。その強い生命力も確かに受け継がれていったわけです。
戦には勝ったものの志半ばで消え去った信長と、戦には負けたものの権力者の庇護を受けて天寿を全うした承禎。
なんとも不思議で皮肉な運命です。