2022.9.16
「矢沢あい展」でも大注目! 4刷決定『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新』より「パンク」カルチャーをひも解く
本書は、「smart」元編集長で、「よみタイ」では「CITY BOYおじさん 湖畔でデュアルライフはじめました。」を連載中の佐藤誠二朗さんが、モッズ、ヒッピー、ノームコアなど、ストリートスタイルの成り立ちや変遷を詳細に解説した1冊です。
収録された全31スタイルのイラストは、漫画家の矢沢あいさんによる全点描きおろし。
その原画は現在全国で順次開催中の「ALL TIME BEST 矢沢あい展」で展示されています。
本書のロングヒット重版に寄せて、著者・佐藤さんの特別コメントをお届けします。
そして、佐藤さんにとって「特に強い思い入れがある」という「PUNKS」の章(書籍15ページ分)を丸ごと掲載してご紹介!
70年代にタイムスリップした気分で、パンクカルチャーの変遷をじっくりとお楽しみください。
(構成/「よみタイ」編集部)
男性はウンチクとともに服を着る
2018年に出した拙著『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新』が、このたび重版決定となりました。
なんと4刷り目!
これほど長く、多くの人に読んでいただけて、本当に嬉しく思います。
この本は、僕がストリートファッション誌の編集長経験などをとおし、男性は服を“蘊蓄とともに着る”ものだと気づいたところからはじまりました。
そこで、1930年代から現在までに登場したいくつものストリートスタイルを、これでもかというほどの蘊蓄まみれで紹介する内容を目指したところ、350ページ分を超える長い長い原稿になりました。
でも、書きはじめてから脱稿までに、一ヶ月もかからなかったことを覚えています。
いま思い返してみると、書いている僕自身が楽しくてたまらず、きっとゾーン状態に入っていたのでしょう。
この本に書いたたくさんの蘊蓄は、知らなくても生きていくのに困ることは何もありません。
でも、知っていればおしゃれがより一層楽しくなることは間違いないでしょう。
そこに共感してくれた方がたくさんいたおかげで、ロングセラーになることができたのだと思います。
そしてこの本には、矢沢あいさんが素晴らしい挿画をつけてくださった結果、温かい血が流れました。
今年、東京を皮切りに全国巡回で開催されている展覧会、「ALL TIME BEST 矢沢あい展」の順路冒頭には、『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新』のコーナーが設けられ、その流麗な原画が展示されています。
この展覧会で、また新たにたくさんの方が、この本の存在に気づいてくれたようです。
今回、重版を記念して31パートに分かれた『ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新』の中からひとつを、限定公開することになりました。
選んだのは「PUNKS」の章です。
僕にとって、そして恐らく矢沢あいさんにとっても、特に強い思い入れがある章なのです。