2021.6.12
コロナ禍、五輪問題…政治に力を求める今こそ知って起きたい選挙の基本5選!
選挙の実態と怖さを知る本
選挙を知るには選挙に出るのが一番、とは思っても、高い供託金問題もあるし、立候補へのハードルはなかなか高いもの。
畠山さんは「安全地帯から選挙を知る方法」として、いくつかの映画や本を紹介しています。
その中の一つ、「どうしても紹介しておきたい本」として紹介されているのが、小池百合子東京都知事の評伝『女帝 小池百合子』(石井妙子著・文藝春秋)。
口元にうっすらと笑みを浮かべる小池都知事の顔が大きく載った表紙に、見覚えのある方も多いのでは?
都知事選の取材も重ねてきた畠山さんにとっても驚愕の一冊だったようで……。
私はページをめくるたびに驚いた。小池がこれまでメディアに対して語ってきたことと、本書で書かれていることのギャップがあまりにも大きく、激しかったからだ。
目を引くのは、カイロ時代の同居人の証言だ。それだけではなく、100人以上の関係者を取材し、幼少期から現在までの小池を分析、検証した本書は、値段以上の価値がある。
今後も小池との関係を維持したいメディアは、おそらくこの矛盾に触れないだろう。私は拙著『黙殺』で小池の政治家としてのいい加減さを指摘してきたが、『女帝』の問題提起は、より根深いものだと感じた。
コロナ禍や五輪開催で東京が揺れる今こそ読んでおきたい1冊。
既読の方も、畠山さんの書評をふまえて読み直すと、あらたな気づきがあるかもしれません。
選挙が学べる映画や本がわかる記事はこちらから。
選挙に出るリスクを冒さずに「選挙の実態」がわかるオススメ映画と書籍
選挙リテラシーをどう高める?
いざ投票しようとしても、誰に投票すれば良いのか……。公約を読んでもきれいな言葉ばかり並んでいるし……。
明確な支持政党や投票判断基準を持っていない人が多いことは、投票率の低さからもわかります。
そんな人に、畠山さんがすすめるのが「候補者に直接会うこと」。
その理由は、ポスターとの印象の違いや、演説の前後に見せる候補者の振る舞いなど、本人を前にするからこそわかる情報がたくさんあるから。
まず、ポスターに写っている候補者の顔と実際の顔が一致しないことがよくある。本当だ。街頭演説場所で「ずいぶん司会者の話が長いな」と思っていたら、候補者本人だったことが何度もある。私はポスターや選挙カーに大きく掲げられた候補者の写真と、候補者本人の顔を何度も見比べた。嘘だろ、と言われるが、本当だ。ポスターの写真には「直近3カ月以内に撮影したもの」などの法律上の規程がない。だからこういうことが起きる。
ベテラン政治家が数十年前の顔写真を平気で使っていることもある。たしかに「本人の写真」だが、それが最新のものとは限らない。印象を良くしようとして写真を加工している場合の方が多いと思ったほうがいい。無修正は本当に珍しい。
政治への問題意識や期待が高まっている今だからこそ、後悔しない投票ができるように、自分なりの判断基準をしっかりと持っていたいものです。
選挙リテラシーを高める方法がわかる記事はこちら。
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