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食費だけで14万! 準備万端で挑んだはずの「サハラ砂漠1000kmレース」で待ち受けていた最悪のトラブル

準備に膨大な時間を費やした装備

 食料と同じく、準備に膨大な時間を費やしたのが装備である。未知のレースを想像し、仮説をたて、検証することは非常に難しい。
 
 そこで専門家に相談したり、類似レースを見たり、様々な資料を調べたりして、あらゆるリスクを洗い出し、対処方法を考えた。たとえばマイナス30℃だった「アイディタロッド・トレイル・インビテーショナル」などの寒冷地レースでは、エベレスト登山レベルの厚手手袋をはめているため、ウェアやバッグのファスナー、ペットボトルのキャップが開けられないなど、日常では考えられない事態になることがわかった。そのため、ファスナーには大きな取っ手をつけたり、ペットボトルは大口のものにするなど試行錯誤した。そうして様々な状況でもとにかく簡単に、ストレスなく扱えるものを重要視した。さらに重さ、コンパクトさ、携帯性も合わせ、揃えた。

 主だったものをざっくりあげてみる。

 日除け付き帽子(暑さ対策)、ダウンジャケット(寒さ対策)、透明調光サングラス(紫外線・夜間砂嵐対策)、寝袋2個(現地で選択し、睡眠対策)、ソックス24足(細かく履き替えマメ対策)、皮膚保護クリーム(マメ・股ズレ対策)、虫除けスプレー(感染症対策)、リフレッシュシート(不快感対策)、シューズ3足(サイズを通常サイズと、0.5〜1.0センチ上げて足が腫れたときの対策)、ゲイター(足元から足首まで覆い砂対策)、各種の薬(熱、下痢、嘔吐おうと、腹痛、眠気、やけど、切り傷、すり傷などの対策)、治療キットとしてナイフ、消毒剤、絆創膏ばんそうこう、テーピング用品。
 そして、カメラ3台(アクションカム、スマホ、360度カメラ)、バッテリー6個。必要なものには防塵、防水などの工夫を施す。
 ちなみに、サングラスは「デューク」の特注。シューズやウェア類は「ミズノ」、虫除けスプレーは「アース製薬」、皮膚保護クリームは「アースブルー」と様々な会社にも専門家のアドバイスから協力いただいた。どれも日本トップ企業の経験と技術を結集したアイテムだ。
 結果、アイテムの合計は50種類を超えた。こちらも過去最大の量となった。

 それらを24ヶ所のチェックポイントに分けて置く。それぞれのアイテムを何キロ地点に置くのか、どこで故障やトラブルが起きそうかを想定して分けた。
 想定するのが最も難しかったのが足の腫れ。これは路面状態と気温によって変わってくる。
 考え抜いた末に、予備シューズは360キロ地点に0.5センチ大きなものを、500キロ地点に1.0センチ大きなものを準備しておくことにした。

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北田雄夫

きただ・たかお
1984年生まれ、大阪府堺市出身。中学から陸上を始め、近畿大学3年時に4×400メートルリレーで日本選手権3位。
就職後は一度、競技から離れるも「自分の可能性に挑戦したい!」と再び競技を始める。
2014年、30歳からアドベンチャーマラソンに参戦。
17年、日本人として初めて「世界7大陸アドベンチャーマラソン走破」を達成。
現在は「世界4大極地の最高峰レース走破」にチャレンジ中。

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