2021.3.9
このシチュエーションで「その格好かよ!?」ー服装とは難しいものだと痛感した瞬間
消費税法の改正を求めて署名を集め嘆願書をつくったのだが
大阪で小さな書店をやっている友人がいる。私もたまにその書店の事務作業や店番を手伝うことがある。お店に行くたびにその友人とあれこれ話をしながら作業をするのが楽しみなのだが、その友人が最近力を入れていることがある。
それが「消費税法」の改正を求める活動だ。お店などで売っている商品には「本体価格+税」と価格を表示しているものもあれば、税込価格を記載しているものもある。消費税法には2021年4月1日から「それらをすべて税込価格表示に改めよ」という取り決めがあって、友人はその取り決めに反対意見を表明しているのだ。
パッと聞くと税別だの税込だのが混在している今の状況が整理されてスッキリしそうに思えるが、価格表示を改めるというのは商品を作る側やそれを販売する側にとっては必ずしも簡単なことではない。
友人は書店をやっているのでまずは自分の店に並んでいる本のことをイメージしたというのだが、そこはたくさんの出版社や個人の作り手による本が雑多に集まったような店で、価格表記を統一するのは困難だ。
出版社に依頼してカバーを刷り直してもらうのか、上からシールを貼るのか、スリップを挟み込むのか、そのためにかかる時間、手間、人件費をどうやって作り出せというのか。しかも税率が今後ずっと変わらない保証はどこにもない。
各党が「増税だ」「いや減税だ」と意見し合っているのはニュースでも見聞きする。そのたびにまた同じ負担が生まれるのか。
国のさじ加減で作り手や売り手が理不尽に翻弄されるってどういうことなの?と、友人の話を聞いていると私も腹が立ってくる。
そんなわけで友人は出版業界を中心に賛同者を募り、一般からも広く署名を集めて国会に働きかけようとがんばっているのであった。そして先日、集まった署名と請願書を各党の国会議員に向けて提出しに行くことになったという。
自分の活動を手伝ってくれるメンバーの力を借りて国会議員の方々のアポを取り付け、いよいよ東京へ向かおうというその前夜になって友人はふと思った。「あれ、何を着ていけばいいんだ?」と。
署名を集めて国会議員に提出する……もちろん友人にとってそんな経験は初めてだし、周りにもそのような体験をしたという人は思い当たらない。困った友人はノートパソコンを開き、少し考えた末に「署名提出 服装」と検索したという。