よみタイ

「いざゆけ若鷹軍団」で踊るペッパー君を見て未来のスポーツ応援について考えた〜(プロ野球開幕戦によせて)

ライトスタンドの通路に突如として5人登場したのは、人型ロボット・Pepper(ペッパー)であった。

ペッパー君は、ホークスの親会社であるソフトバンクグループの子会社・ソフトバンクロボティクスが販売するロボットなので、「うちの会社の野球チームの応援に来ました」という、実際の会社員でもありそうな設定で応援に駆り出されたのであろう。 

ペッパー君たちはユニフォームを身にまとい、ソフトバンクの選手がヒットを打ったり得点を挙げたりすると喜び、7回の攻撃時に流れる球団歌「いざゆけ若鷹軍団」に合わせて一糸乱れぬ踊りを踊った。その様子は何ともシュールであった。
しかし一方で、「もしかすると、未来の球場応援はこうなっていくのではないか……?」と、ふと思ってしまったのである。

それでも生ビール片手に球場で大声を張り上げる喜びに代わるものはなし

今や、遠隔地にいながら体験を共有できる「分身ロボット」の開発も進められている。
球場には自分の分身ロボットが足を運び、満員の観客席はロボットが埋め尽くす。そうなるとプレーしている選手もロボットになったりして……? と、ディストピア的な近未来を空想しつつ、今はまだ生身の選手のプレーを生身で応援したいので(生身でなければ夏の球場のビールも味気なかろう)、一刻も早くこうした事態が収束して、観客をめいっぱい入れた試合が再開されることを心待ちにしたいと思う。

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新刊紹介

オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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