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「熱男リレー」をスルーする、鈴木誠也の人間力〜鈴木誠也(プロ野球選手)

鈴木にバトンを渡したのは、ソフトバンク・内川聖一だ。

鈴木は内川を師と慕い、これまでに幾度か「チーム内川」として自主トレを共にしている。
内川も、そのような“弟子”だからこそバトンを渡したのであろう。
ところが、4月10日に内川がバトンを渡してから1か月近く、鈴木のインスタグラムでは「熱男リレー」が行われた形跡はない。10日以降にポストされた唯一の鈴木の投稿(4月23日)は、「皆さんコンニチハ!」とおどけた顔で挨拶した後、「トレーニング後、すぐこのプロテインを飲んでいます」とプロテインをプッシュするというものであった。

鈴木はなぜリレーをスルーしているのか。

リレーよりもプロテインをとるのが誠也の野生的本能だったのか

そもそもSNSのリレーとは何なのかをわかっていない、ということも考えられる。

内川の投稿からして、「熱男はマッチ(松田の愛称)のものなので、僕は今日は遠慮させてもらおうと思います」と語った直後に飲み物を飲むふりをして「熱っ!」と叫び、「男」と書かれた紙を掲げるといった大変難解なものだったので、無理のないことかもしれない。
しかし、「ガッツ」と書こうとして「ガッシ」と書いたり、試合が雨天中断の時にベンチでチームメートに鼻毛を投げつけたりする鈴木の姿をつぶさに見てきたカープファンは、「誠也ならあり得るかもな……」と納得してしまう。

一方で、鈴木は単なる「おバカキャラ」ではない。
こと野球に関してストイックに追求する姿も我々は知っている。
先日、入団1年目の鈴木と現在の姿とを比較する写真を見たが、顔も体も二回りほど逞しくなっていて、改めて驚いた。
そのような鈴木だからこそ、リレーを本能的にスルーし、このような時こそプロテインを飲んで地道にトレーニングすることが大切、と我々に教えてくれているのではないかと思ってしまったほどだ。

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オギリマサホ

1976年東京都出身。イラストレーターとしてシュールな人物画を中心に雑誌や書籍などで活躍。中学1年までは巨人ファンだったのが、中2のときに投手王国・広島カープに魅せられ、広島ファンに転向。そのカープ愛が炸裂するイラストエッセイ『斜め下からカープ論』を刊行。野球のみならず、広くスポーツ界を愛している。
Twitter@ogirim

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