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ライジング!

それも僕の仕事なの!? いきなり渡された重たいタスキ 小説「ライジング!」第5回

カラオケバーの中にいたのは……?

 その日の夜は、小柴の「カラオケ行くぞ」の一言で、三人連れ立って新宿に来ていた。

「なんでカラオケに? しかもわざわざ新宿まで」
 松田が疑問を口にすると、小柴は「他の用事もあるんだよ」とだけ言ってタクシーに乗り込んだ。
 小柴が運転手に告げた目的地に着き、松田は車を降りた。しかしいくらあたりを見回しても、カラオケ屋らしきものは見当たらない。ただ黒い壁があるだけだ。
「これ場所まちがってません?」
 キョロキョロしながらそう言う松田だったが、急に背後から声が聞こえてきた。
「お待ちしておりました」
「うわっ! びっくりした!」
 松田が声のした方を見ると、一流ホテルのボーイのような男性が立っていた。背後には壁しかなかったのにいつのまに……と思ってその壁を見ると、一部がドアになっているようだった。そのドアから男性は出て来たのだ。そしてよく見ると、壁にはドアがあるだけでなく、お店の名前も書いてあった。
〝Quebec(ケベック)〟
 というのがこの店の名前らしい。黒い壁に黒い文字で書いてあるので、目を凝らさなければ読むことができない。一体なぜこんなことを……。気になった松田が質問しようとしたのだが、小柴と野島は慣れた様子で店内に入って行ってしまった。
「どうぞ」
 残された男性店員に促され、松田もドアをくぐってお店へと入る。そこに広がっていたのは、驚くべき光景だった。

(以下、次回に続く)

 連載小説「ライジング!」次回は4/9(金)公開予定です。お楽しみに!

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志田用太朗

京都府出身。小説家。
第16回エンターブレインえんため大賞優秀賞を獲得して、2015年にデビュー。
集英社みらい文庫からは『僕らのはちゃめちゃ課外授業 一発逆転お宝バトル』シリーズなどが好評発売中。

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