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アーティストにとっての作品が楽曲なら、政治家にとっての作品は政策のはず。「高市だから推した」“推し活勢”に対する抵抗感を言語化してみた

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推し文脈の気持ち悪さの根底にある「ミーハー」

 こうして解像度を高めていくと、ふと気づくことがある。それは、僕が圧や孤立感を感じる社会の推し至上文化とは切り分けて考えるべきポイントが一つあるということだ。
 それは、僕世代で言う「ミーハー」、つまり世間で流行っているもの、世間が良いというものを盲目的に良いとし、みんなが見るから見る、みんなが持ってるから欲しがる、有名だから良いと評価するといった価値観が、「ファン心理」以上に全く理解できず、やはり嫌悪感すら伴うということだ(なんだか太平洋戦争下の日本で小さい日の丸を振っている群衆や、アドルフ・ヒトラーの演説に集まる聴衆が脳裏に見える)。
 もちろん、推し活をする者の中には、まさに同じように世間一般の「良い」に迎合できず、ようやく「良い!」と言えるオンリーワンを見つけたからこそ熱狂的に推すという側面もあるから、この「ミーハー」とはイコールでない。
 けれど現状社会に蔓延する推し文脈の気持ち悪さや受け入れがたさには、間違いなくこの「ミーハー」の像がある。
 ということで、次回では今回同様、「流行りに飛びつく勢」の心理と自身の比較から、またもし僕「ら」の拒否感が「それが流行しているから飛びつきたくない」という逆張り心理を背景にするなら、さらにその心理にどんな背景があるのかも含めて、掘り下げを進めてみたい。

 この連載は毎月第4土曜日午前9時配信。次回は3月28日(土)公開予定です。お楽しみに!

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新刊紹介

鈴木大介

すずき・だいすけ/文筆業・ルポライター
1973年千葉県生まれ。主な著書に若い女性や子どもの貧困問題をテーマにした『最貧困女子』(幻冬舎)、『ギャングース(漫画原作・映画化)』(講談社)、『老人喰い』(ちくま新書・TBS系列にてドラマ化)や、自身の抱える障害をテーマにした「脳が壊れた」(新潮社)、互いに障害を抱える夫婦間のパートナーシップを描いた『されど愛しきお妻様』(講談社・漫画化)などがある。
2020年、「『脳コワ』さん支援ガイド」(医学書院・シリーズケアをひらく)にて日本医学ジャーナリスト協会賞大賞受賞。近刊に『ネット右翼になった父』(講談社現代新書・新書大賞2024・5位)『貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」』(幻冬舎新書)など。

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